2月は豆も撒かず、恵方巻も食べず、なぜか中華ばかりを食べて過ごしております。tofubeatsです。世の中は本当に鬼みたいなものばっかりですねえ~という書き始めで進めようと思いましたが、ここ数日は初めて会った方々に異常に優しくされることが何度か続き、“プラスティック・ラブ”のカヴァーも無事リリースされ、平和に暮らしております。まあ原稿の建て付けとして、今回はそんな鬼のような社会に立ち向かうための3枚を新譜からご紹介……!
先行シングル“Don't Miss It”の流れから届けられた4枚目のアルバムですが、ボン・イヴェールの前作のような祈りのようなものが随所に詰まった作品という印象を受けました。個人的には昨年もっとも素晴らしかったアーティストの一人、ロザリアの参加がアツかったですが、楽曲としてはやはりソロ曲が全部隅々まで行き届いていて素晴らしかったです。生演奏っぽさとサンプル処理の編集感みたいなもののバランス感も素敵。
そんなジェイムズ・ブレイクと意外とそんな遠いところにいる感じもしないトロ・イ・モワの新譜も、制作半径がいい感じで小さい良盤でした。“Freelance”という曲の視点にはどうしてもグッときてしまいますね。DJでもプレイしてますが“Who Am I”の小気味良さも好きでした。パーティーでプレイするのにもちょうどいい歌詞な気がします(笑)。
どちらかといえば鬼サイドの方々な気もしつつ、こちらもご紹介。曲自体もそうなのですが、最初に聴いた時の印象はミックスがめっちゃいい……!という感想でした。前アルバムの2曲をミックスしたのであろう“いちご娘はひとりっ子”の端正なリビルド、名曲の数々が全然肩肘張らずにいい感じでアップデートされていて最高です。“電気グルーヴ10周年の歌”なんて変な嘘も交えつつ、余裕でこのサウンド。貫禄です。
tofubeats(トーフビーツ)
90年生まれ、神戸在住のトラックメイカー。自身の作品リリースのほか、土岐麻子、夢眠ねむ、向井太一、ものんくる、大比良瑞希、TENDRE、平井堅らの楽曲を手掛けています。本人名義では話題のカヴァー“Plastic Love”も好評配信中。その一方、2曲の編曲を担当した中島愛のカヴァー集『ラブリー・タイム・トラベル』(flying DOG)をはじめ、“水星”のリアレンジを手掛けた鈴木京香(!)初の音楽作品『dress-ing』(SLENDERIE RECORD)、“Flashlight”をプロデュースしたiriの『Shade』、昨年のコラボ曲“Virtual Luv”を収めたVaVaの『VVORLD』……と参加作品も続々と登場していますよ! 最新情報は〈tofubeats.persona.co/〉にて!