codomomental overdrive 2019
[ 特集 ]コドモメンタルINC.とは何か?
ここ数年で個性的な音楽を次々に送り出し、レーベル単位でも急激に注目を集めつつあるコドモメンタルINC.。その進行形の軌跡を紹介しよう!

 4月に日比谷野外大音楽堂でのワンマンを控えるぜんぶ君のせいだ。を筆頭に、それぞれ個性的なムードを纏った(いわゆる)女性アイドルの範疇で認識されるグループを送り出してきたコドモメンタルINC.。そもそも音楽レーベルに限定されない形で2015年に始まったこのプロダクションは、syamの楽曲を元にした彼女の主演映画を製作する過程で動き出したインディペンデントな集団である。

 その立ち上げの2015年には、最初のグループとしてぜんぶ君のせいだ。が結成され、同年の秋にはゆくえしれずつれづれも始動。一般流通のある作品という意味では2016年にリリースされたぜんぶ君のせいだ。のアルバム『やみかわIMRAD』が最初で、そこからsyamのプロジェクト=少年がミルク、ゆくえしれずつれづれ、インスト・バンドのGauche.といった面々の作品が立て続けに世に出ることとなった。制作陣もsyamの頃から作曲で関わってきたGauche.の水谷和樹をはじめ、作詞を担うGESSHI類、syva、ハヤシタカヒロといったブレーンたちが担当。翌2017年には新グループの幽世テロルArchitectも動きはじめ、一般的なライヴ・アイドルのように頻繁に多方面のイヴェント出演を行うというスタンスを取らずして、集団としての個性を育んできた。

 転機が訪れたのは、ぜんぶ君のせいだ。が突き抜けて飛躍を始めた2018年だ。既存アクトのリリースも続くなかで、すでに実績のあったMOP of HEADをはじめ、〈フジロック〉の〈ROOKIE A GO-GO〉出演経験もあったThe Taupe、さらに主催オーディション〈404 AUDITION〉にてグランプリを獲得したété、とバンド形態の所属アクトも次々に増やしていったのだ。一方で年の暮れにはさらなる女性グループとして星歴13夜も結成したばかり。それら各アーティストが頻繁に作品を送り出すことで、この3~4月のリリース・ラッシュ状態はとんでもない。いずれにせよ、どれもバラバラなようでどこかに共通項を見つけることができるような、できないような、そんなユニークな作品の数々を改めて振り返るなら、いまがそのタイミングなのではないだろうか。