アメリカン・ルーツ音楽を父に持ち、テクノ・ポップを叔父に持つ彼のユニークな出自がいっそう浮き彫りになった新作が到着した。ビーチ・ボーイズ趣味丸出しのポップンロールや、砂原良徳を迎えたエレクトロ・ファンクなど随所でコミカルな表情が目立つけれど、そのぶんシリアスな側面がグッと際立っているのも特徴だ。『ナイアガラ・ムーン』と『泰安洋行』の遺伝子が共存した稀有なポップス・アルバムでもある。