COLUMN

KOKIA――billboard classics〈KOKIA Fall in love with the orchestra〉

初共演! 壮大なオーケストラの演奏に包まれる幸せを感じてほしい

KOKIA――billboard classics〈KOKIA Fall in love with the orchestra〉

 KOKIAのコンサートをご覧になった方は、よくご存じだと思うが、彼女はいつも裸足で、右手を舞いのごとくしなやかに動かしながら歌う。自然な動きなので、振付けではないことはわかる。無意識なのかもしれないが、何か意味が隠されている気がする。

 「よく指摘されることですが、裸足で歌うのは踏ん張りがきいて、自分のパワーを全て出して歌うことが出来るからです。靴を履いて歌うと、やっぱり調子が出ない。手の動きもよく話題になります(笑)。音楽や音というものは、目には見えないけれど、私には歌っている時に音波がはっきり見えているんですね。手の動きは、それがみなさんに届くようにという思いから、自分が指揮者になったつもりでその音波をコントロールしているんです」

KOKIA COLOR OF LIFE Victor Entertainment(2014)

 なるほど音波の指揮か。ステージで歌う歌は、彼女自身が書いている。先日観たコンサートのMCでも“聴く人の心に寄り添う歌を”と言っていたが、ゆったりとしたメロディに優しい言葉をのせて励ますような歌が多い。

 「今どういうメッセージを伝えたいのか。また、どういう音で聴く人に寄り添ったら、この思いは届くだろうかとまず考えます。誰もがいつも元気ではいられない。元気になってと、背中を押すような歌を歌っていますが、そういう歌が必要じゃなくなることが理想ですよね。だから、コンサートではいつもずっと私の歌を聴き続けてとは言わない。でも、私は歌い続けるので、必要になったら、帰ってきて下さいね、と言っています」

【参考動画】KOKIA 15周年記念コンサート〈COLOR OF LIFE〉 ダイジェスト映像

 

 さて、その彼女が今年12月23日に初めてオーケストラとコンサートで共演する。高校から音楽学校でクラシック声楽を学んできた。大学在学中にシンガー・ソングライターに転身していなければ、オペラの舞台に立っていたかもしれない。透明感のある伸びやかなヴォーカル、ナチュラルで豊かな声量に才能と基礎力が感じられるので、オーケストラとの共演でどんな声を響かせるのかと、イメージが膨らむ。

 「オーケストラとの共演は、希望していたことではあるけれど、やりたいと思ってすぐに出来るものではないので、今回は、タイミングとご縁があったということに尽きます。実際にお話をいただいた時は、やった!!って感じで本当に嬉しかったですね。コンサートでお願いするアンケートでもオーケストラと一緒に、というお客様の声がずっとあったので…」

KOKIA Where to go my love? Victor Entertainment(2013)

 すでに選曲、オーケストラのアレンジなどの作業を進めているという。TV番組やアニメゲームにも楽曲を提供するなど、15年のキャリアの中で数多くのレパートリーを生んできた。そのなかからどのような楽曲を選んでいるのだろうか。

 「作曲をする段階で、オーケストラとの共演を想定して書くことが多くあります。なので、この曲で共演したらきっと素敵だろうな、というのはすぐにわかるのですが、実際に選曲の作業に入ると、あれもこれもと悩んでしまって、決めるのが難しい。すでにアレンジャーの方とのやりとりも始まっていて、プロデューサー視点で見ると、それらの準備はとても楽しい。でも、その視点を歌手へと移すと、不安が先だってしまう。それは、オーケストラとの共演の難しさを知っているからです」

 かつてTV番組でその難しさを経験したがための不安のようだが、普段から声の響かせ方を研究し、使うマイクや会場の環境によって歌い方を緻密に変えているようなシンガーだ。オーケストラとの共演でどんな化学反応を起こすのかと、期待は募る。

 「コンサートのタイトルが“KOKIA Falling in love with the orchestra”なので、ちょっと恋をしたような、ウキウキした気持ちになっていただけるようなコンサートにしたいと思っています。オーケストラに演奏されることで、楽曲のポテンシャルも高まるだろうとも思います。構成、演出に関してはまだ最終決定していませんが、宇宙や愛をテーマのひとつにしているので、壮大なオーケストラの演奏に包まれる、幸せのようなものを感じていただけたらなとも思っています」

 

●PROFILE

音楽・芸術を愛した祖父母の影響で多くの芸術に慣れ親しんで育つ。中でも音楽の世界に強く惹かれ、幼い頃より自然とピアノで曲を作るようになる。3歳からヴァイオリンを始め、高校・大学と桐朋学園で声楽を専攻。クラシックを学ぶ一方、自らが作詞・作曲をした楽曲を通して、音楽の持つ素晴らしさやその可能性をたくさんの人に伝えたいと感じ、大学在学中の1998年にデビュー。早くから海外での評価も高く、変幻自在なその歌声は「ボーダーレスな歌声」としてヨーロッパでも支持をされ活動の場を世界に広げている。シンプルで心に残るメッセージを大事にしている彼女の歌は、多くの人に音楽を通して「love&peace」を問いかけている。

 

billboard classics 〈KOKIA Falling in love with the orchestra〉

12/23(火・祝)昼の部14:00開演/夜の部18:30開演
会場:東京芸術劇場コンサートホール(東京・池袋)
出演:KOKIA 梅田俊明(指揮)日本フィルハーモニー交響楽団
http://www.billboard-cc.com/classics/

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