世は空前のお城ブームである。現在は竹田城のような石垣だけの山城が人気だが1960年代のお城ブームは復興天守により城=天守というイメージを決定づけた。そんな1968年に作曲された小川寛興作曲の交響曲『日本の城』がリマスターにて再発売。“築城”、“天守の城”から“不滅の城”の5楽章からなる交響曲。個別の城というよりは普遍的な城のイメージを描いた交響曲。オーケストラに雅楽やほら貝、さらにはヴォカリーズの合唱を効果的に使って城の誕生から戦いを経て町の象徴的存在へと復活する城のイメージを見事に表出している。