こんにちは、和賀です。秋は食べ物が美味しい季節ですね。fhánaのファンクラブ〈fhána home〉でちょこちょことレシピやら食べ物の何某をアップしてますが、今、自分がやりたいのはお米の食べ比べです。秋は新米の季節、すなわち人気のお米を手に入れるチャンス!というわけで、何種類かお米を買って、それに合うおかずを作って、食べて、幸せー!みたいな日々を送りたい所存。今まででいちばん衝撃だったお米は〈龍の瞳〉ですが、今いちばん気になっているのは〈雪ほたか〉です。そんな話から一転して、今回もお薦めのアルバム、曲を紹介しましょう。

the HIATUS Our Secret Spot ユニバーサル(2019)

 まず、the HIATUSの最新作『Our Secret Spot』が本当に素晴らしかったです。空間を活かした音の配置、無駄のない洗練された音像、醸し出される大人の風格。でも、思いっ切りオルタナティヴでロック。哀愁が滲む美麗なメロは健在、歪んだギターはかなり控えめですが、時折差し込まれる音がとにかく格好良いし、アコギが気持ち良い音で鳴っていて、あくまでクールにボトムへ音を置いていくようなベースも最高。そして何より、柏倉さんのドラムが細美さんと一緒に歌っているようで、曲にテンション感や色付けをしていく様はこのバンドでしか味わえないなあと心から思います。日本にthe HIATUSがいて良かった。アルバムを締め括る“Moonlight”は珠玉の名曲。

 

People In The Box Wall,Window CROWN STONES(2014)

 次は、People In The Boxの2014年作『Wall,Window』のなかの一曲で“月”。このアルバムには比較的優しい曲が詰まっているのですが、なかでも飛び抜けて美しいメロディーと波多野裕文さんの柔らかい声がストレートに刺さる最高のバラードです。Peopleは歌詞の言葉選びが天才だと思います。普通じゃ絶対出てこない、選ばないような言葉をメロディーに美しく乗せ、その言葉を心に残るアクセントとして機能させるセンスにはただただ脱帽。開催中のツアー会場限定リリースの新作『Tabula Rasa』も素晴らしかったです。前作以降のPeople節がたっぷりで、転調とアレンジによって、音世界がころころと目まぐるしく、予測不可能に色を変えていく様は絶対に他では味わえない感覚。

 

ISOLATION BERLIN Vergifte dich Staatsakt(2018)

 最後はベルリン発のポスト・パンク・バンド、アイソレーション・ベルリンの『Vergifte Dich』です。先日fhánaでドイツに行った時に思ったのですが、ドイツ語の響きは日本ではなかなか聞き馴染みがないものの、とても表情豊かだなと。そんな言語で歌われる楽曲たちはジョイ・ディヴィジョンらポスト・パンクの香りを感じさせる“Kicks”のようにクールな曲から、“Mir träumte”のような哀愁漂う優しい楽曲まで色とりどり。普段は触れる機会が少ないため、ノイズやインダストリアルといった硬質なイメージを持ちがちなドイツ音楽ですが(自分だけ?)、情緒豊かな側面を十分に味わえる一枚です。

 また、来年の話ですが、ボンベイ・バイシクル・クラブと1975の新譜が楽しみで仕方ないです。どちらも先行で発表された楽曲たちが最高すぎますね。それでは、またね。

 


yuxuki waga
佐藤純一(FLEET)とs10rwのyuxuki waga、kevin mitsunaga(Leggysalad)という3人のサウンド・プロデューサーとヴォーカリストのtowanaから成るユニット、fhánaのギターを担当。最新シングル“僕を見つけて”(ランティス)が好評リリース中! ほか、今後の予定については〈http://fhana.jp/〉でご確認を。