第3期に突入した『KYO』を楽しむ前に……昨日までのm-flo作品もチェックしておこう!

m-flo Planet Shining rhythm zone(2000)
メジャー・デビューEPからの“been so long”を筆頭に先行カット7枚からの楽曲を配し、R&B/ヒップホップの旬を吸収してメロディアスな作風を聴かせる初作。〈グローバルアストロライナー号で行く2012年の宇宙旅行〉をテーマに、スキットも交えて世界観を表現していくコンセプチュアルな作りもこの頃から。

m-flo EXPO EXPO rhythm zone(2001)
〈2012年のヴァーチャル万博〉をテーマにした2作目。代表曲となった2ステップの“come again”や“prism”、デビュー時に揺り戻したような“How You Like Me Now?”、DEV LARGE×NIPPSとの“Dispatch”までパビリオン感覚な多彩さにワクワクさせられる大傑作だ。本作を最後にLISAは脱退することに。

m-flo ASTROMANTIC rhythm zone(2004)
多様な顔ぶれとの共演でネプチューンズ風に2人の存在を立てた〈loves〉期の初作。BoAやCrystal Kayとの瑞々しい絡みを軸にDragon Ashから坂本龍一までが参加。melody.×山本領平とのドラムンベース“miss you”やCHEMISTRYとのディスコ・ハウス“Astrosexy”が光る。ナレーションには矢島正明が登場。

m-flo BEAT SPACE NINE rhythm zone(2005)
YOSHIKAとの名バラード“let go”を生んだ〈loves〉シリーズの第2弾。新進の加藤ミリヤやEmyliらを抜擢し、Rie fuやカヒミ・カリィ、さらにはLISAまでコラボ相手の一人として迎えるという振り幅の広さをまとめるセンスが際立つ。和田アキ子とのPE風ファンク“HEY!”では〈紅白〉出場も果たすことに。

m-flo COSMICOLOR rhythm zone(2007)
MINMIとの豪快なハウス“Lotta Love”やBONNIE PINKとの“Love Song”を筆頭に安室奈美恵、倖田來未、Charaらを招き、粒揃いの佳曲を揃えた〈loves〉最終章。後にEDMと括られるダンス・ミュージックとアーバンの軽やかな融合ぶりは、デヴィッド・ゲッタやBEPにも先駆けたカラフルな聴き心地だ。

m-flo SQUARE ONE rhythm zone(2012)
〈原点回帰〉の精神で初作の設定年に届けられた5年ぶりのアルバム。CREAMのMinamiをソングライターとして大幅に起用しつつ、各曲のヴォーカリストについては名前を伏せるという試みが採られた。ド直球の“ALIVE”などEDMの影響下にあるスタイルに照準を絞ったアップリフティングな構成が楽しい。

m-flo NEVEN rhythm zone(2013)
SF的な物語を背景に改めてサウンドの幅広さを提示した意欲作。久々のバラードとなった“LOVER”やメロウな“Das Dance(Like That)”のほか、2ステップやドラムンベースなどの持ち札をアップデートして聴かせる。引き続きヴォーカル陣の名前は非公表ながら、人気モデルもラップで参加。☆Takuの歌も光る。

m-flo FUTURE IS WOW rhythm zone(2014)
改めて音の焦点を同時代のEDMに寄せ、ルビー・プロフェットやベラ・ブルー、BIGBANGのSOL、[Champagne]の川上洋平ら多彩なゲスト陣を交えたソリッドなフロア向けのサウンドが連なる痛快作。小文字時代のdaokoによる内省的な“IRONY”や浜崎あゆみがラップするトラップ仕立ての“My Way”も聴きモノ。