何てことはないけれどどうしようもなく愛おしい日常を独特の色使いで描き出してみせるシンガー・ソングライターの3作目。自身が発足したレーベルからの第1弾となる本作でも、彼はチャーミングなユーモアと緩やかな空気感が張り付いた歌を口ずさみながらゆっくりと通り過ぎていく。賑やかなカントリー・ブルース“さあ出といで”など田中ヤコブ、牧野ヨシ、藤田愛がバックを務めるバンド・セットの曲が新鮮でおもしろい。