2020年最初の原稿ということで何を書こうかな~と思いbounceをパラパラめくっていたのですが、そもそもこの連載の背景画像で使われてるCD棚、売っちゃってたんですよね。CDはデータ化して思い入れのあるものは薄型ケースに入れ替えて箱に詰める方式になって早数年、いま棚にあるのは書籍だけ……というわけで今回はタワーで購入できる音楽系書籍からでどうでしょう。まさかデジタル化の波によってこの連載のタイトルにまで違和感が生まれてくる時が来るとは。2020年……。

lightmellowbu オブスキュア・シティポップ・ディスクガイド DU BOOKS(2020)

 当連載で取り上げたパソコン音楽クラブの柴田くんも執筆陣に名を連ねておりますが、まさしくかつての画像の棚のように中古ショップの安売りコーナーにある音源に新たな側面でスポットライトを当てた書籍。最近一生懸命中古CDの棚を見たりすることが以前よりかなり減りましたがここにきて兜の緒を締め直さねば……と思わずにはいられない一冊でした。かつての中古CDdigの先輩方から教わった名盤も入っていたり……。自分的にはシングルのカップリングのみで収録の一番好きなBONNIE PINKさんの名曲がバッチリ取り上げられていて胸熱でした。中1のころ初めて新譜で買ったCDも掲載されており、入りがもうオブスキュア・シティポップであることが暗に証明されてしまった本でもあります……。

 

imdkm リズムから考えるJ-POP史 Blueprint(2019)

 私tofubeatsは解説も担当してますよ。10年来の友人であるimdkm氏が音楽ライター界に殴り込みをかけた初書籍。J-Popというフワッとしたジャンル……だからこそ生まれていたリズムの幅に着目したのがおもしろい。わりかし入門者目線でも書かれていますので、単純にこの本に挙げられているような単語に興味があるだけでも読み進めらるかと思います。とくに小室氏についての分析はなるほどな~と思うところが自分的に多く、これまで知っていた曲も当時の時系列にそって並べてみることでまた全然聴こえ方が違うよな、といったことを再認識。私も名前にビーツと入ってるくらいなので新しいリズムをポップス界に注入できるように頑張りたい2020年です。今年もよろしくお願いします。

 


tofubeats(トーフビーツ)
90年生まれ、神戸出身のトラックメイカー。自身の作品リリースのほか、土岐麻子、中島愛、向井太一、TENDRE、平井堅、大比良瑞希、m-flo、CHEMISTRY、SUKISHA×kiki vivi lilyらの楽曲を手掛け、マスタリング/アートディレクションを担当したdj newtownの『WEST MEMBERS』もリリース中。直近では、2月5日にリリースされるSexy Zoneのニュー・アルバム『POP×STEP!?』(ポニーキャニオン)にて“MELODY”のプロデュースを手掛けているのでそちらも要チェック! その他の最新情報は〈tofubeats.com〉にて!