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【沖メイのサウンズ・オブ・クリーチャー】第4回 ミグノン友森玲子さんと語る保護動物のこと、生き物と人間の関係

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〈かわいそうだから〉って感情的に保護するのは簡単なんです

「上から目線にはなりたくないけど、生き物を守らないといけない現状もある。最近もアマゾンで森林火災がありましたし……。彼らはただ生きてるだけなので、人間がセーヴしなきゃいけない面もあると思います」

友森「そうですね。活動がだんだんと加速してしまうので、10年目以降はブレーキに重心を置いています。〈かわいそうだから〉って感情的に保護するのは簡単なんです」

「でも、それは辛いですよね」

友森「連れてこられなかった子が命を落とすと、〈自分が見捨てたからだ〉とも思います。けれども、一時の感情で突っ走って団体が破綻したら、いま保護している子たちに迷惑がかかる。だから、自分はこの子たちを守るために他の子を見捨てたんだということを受け入れて、納得したうえで活動をしています」

「最近は生き物をたくさん飼って、面倒を見きれなくなった問題をよくニュースで見ますよね」

友森「多頭飼育が全国的に問題になっていますね。そういう現場に行くと、もともとは地域猫の保護をやっていた人が意外と多くて。〈動物をこんなふうに扱ってひどいな〉と思うのですが、自分もそうなりかねないと思っています」

 

多様な食肉文化とヴィーガニズム、養鶏・畜産……生き物を食べるということ

「例えばアジアには犬や猫を食べる文化や伝統があって、最近では中国の玉林で開催されている〈犬肉祭り〉が広く知られるようになったことで、それに対する反対運動もありますよね。

それと以前、〈肉を食べる人とは分かり合えない〉というヴィーガンの方とTwitterでやり取りをしたとき、〈どうして?〉と訊いても〈そもそも考え方が違うから話す必要もない〉と返されたことがありました。

さまざまな食肉文化の背景には当然、それぞれの伝統があり、畜産農家の方や屠殺を仕事にしている方がいます。なので、いろいろなことが入り組んでいる食肉文化の問題についてイエスかノーかの二択で議論するのは難しい。〈肉を食べるのは悪!〉〈野菜と家畜の命に違いはあるのか?〉と過激な主張で互いの立場を否定し合うだけでは、いつまでも平行線だと思うんです。

生き物を助けたい気持ちはあるけど、何ができるのかを考えたとき、単純に〈肉を食べるのはやめよう〉というのはちょっと違う……。私は個人的にそう考えていて、このことについては、これからも模索していきたいと思っているんです」

友森「難しい問題ですよね。こういう活動をしていると、〈ヴィーガンなんですか?〉〈革製品は使わないんですか?〉と訊かれます。

私は自分なりのルールを設けているんです。毛皮は使わないけど、牛は食べているから牛革製品は使うとか。ウサギは好きだから食べない、フォアグラも食べないとか」

※フォアグラはガチョウやアヒルに大量の餌を強制給餌し、肝臓を肥大させて作られる食材。動物福祉の観点から批判が多く、各地で強制給餌が禁止されている

「よくわかります。私も同じです」

友森「一時期、肉と魚を食べることをやめていました。豚も牛もフレンドリーでかわいい動物ですし。

以前、熱帯魚屋さんで働いていたとき、ハタの一種の遊び友だちがいて。出勤すると、〈遊ぼ遊ぼ〉って寄ってくるんです(笑)」

「かわいい~!」

友森「魚にも高い社会性があるんですよね。それで動物性のものを食べていなかったんですけど、体調が悪くなってしまって……。

野菜や豆だけを食べているといっても、収穫のときに虫たちを殺している、と思い直しました。人間の生って、多くの犠牲のうえに成り立っているじゃないですか。結局、ベストは人間が存在しないことなので、ベターを自分で選んでいくしかないんだなと。

私は、無知がいちばんの罪だと思います。だから自分なりに得た知識で、なるべく良い選択をしたい。畜産についても調べて、卵を買うにしても、平飼いされたニワトリが産んでいる、少しでも福祉上の問題がないものを選ぶようにしています。もちろん、高い卵なんて買えないっていう人は、安いものを買ってもいいと思う。ただ知らないで食べてしまうのではなく、この卵はかわいそうなニワトリさんが産んだものなんだって、一度立ち止まって考えてほしいんです。

でもそれを他人に強要しないし、それぞれに合ったルールをお互いに尊重し合うのがいいと思います」

「私も卵はちゃんと育てている養鶏家のものを買って、そういう活動がもっと広がるようにお金を還元したいと思っています。肉もちゃんとしたもの以外は買わないように気をつけているから、高くてあんまり買えなかったりするんですけど(笑)」

友森「うちではいま、ニワトリの鳥男(トリオ)を保護していて、ニワトリってこんなに賢くて気を遣う動物なんだって知ったんですね。私が仕事で忙しくて、ピリピリしていると、〈そばにいたいけど……〉という感じで2メートルくらい離れたところで立って、ずっとこっちを見ているんです(笑)。

私たちは卵を食べるために、こんなにかわいい生き物に成長ホルモンを打って、身動きができない狭いところに閉じ込めているんだ、人間って残酷だなと思いました。

でも私、鶏肉が大好きなんです(笑)。ただ、鳥男が死んでも絶対に食べられない。その自己矛盾を認識しています」

「夏にドイツの音楽フェスへ行ったとき、ケータリングがヴィーガン食だったんです。大豆のボロネーゼを食べたら、日本で食べたことのある大豆ミートとは違ってジューシーで、美味しくてびっくりしました。これだったら食べたいなって」

友森「私がドイツとスイスに行ったときも、レストランには充実したヴィーガン・メニューがきちんとあって驚きました。

以前、ヴィーガンの友人が海外から来たとき、彼は魚だけを少し食べるタイプだったので、お寿司を出す和食の居酒屋へ連れて行ったんです。そこで穴子の姿煮が出てきたとき、彼が〈Oh no!〉って……(笑)。〈よく考えたらこれ、まんまご遺体だもんね、グロテスクだったね、ごめんね〉と謝りました。

その後、彼が安心して食事をできる店を探したんですけど、本当に良いヴィーガン食専門のお店は、まだまだ日本には少ないですよね。〈オリンピック、大丈夫かな?〉って思います。メニューが足りないだけでなく、海外の基準だと食べてはいけない環境で家畜を飼っている畜産農家が多いですし。生き物との暮らし方や関わり方が、海外と日本とでは全然違うんですよね」

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