99年にシングル一枚を残していた夢のデュオが20年を経て再始動し、アルバムを完成させた。サウンド面のトータル・プロデュースはCharaが担い、近年の彼女のソロに通じるナチュラルなソウル/R&Bをベースにした楽曲が多く並ぶ。なかでもTENDREが設えた“楽しい蹴伸び”のメロウ・グルーヴが、伸び伸びとしたイメージを喚起する言葉も相まって素晴らしい。個々のソロ以上に大胆なトライアルが見い出せるのもポイントで、Seihoがビッグ・ビートをモダンに再生させたような“You! You! You!”など未聴の感触に興奮させられる。mabanuaやKan Sanoといったプロデューサー陣が各人の作品とはまた違った仕事を遂げているのもユニットの懐の深さゆえなのだろう。円熟しつつもフレッシュな傑作!