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インタビュー

GANG PARADEが大きな分岐点を迎えて語る、現在進行形の葛藤とその先

GANG PARADEが大きな分岐点を迎えて語る、現在進行形の葛藤とその先

記念すべき初のホール単独公演にして、新たな分岐点へ向かう予兆となった中野サンプラザの晴れ舞台が映像作品化――いま彼女たちに何が起こっている?

 晴れやかにメジャー・デビューを告げた昨年頭の盛り上がりを思い出せば、創設メンバーたるカミヤサキの脱退発表で幕を開けた2020年は、GANG PARADEにどんなうねりをもたらすのでしょうか? 松隈ケンタ×前山田健一による両A面シングル『涙のステージ/FiX YOUR TEETH』を1月末に発表したのに続き、このたびは昨年11月の中野サンプラザ公演を収めたBlu-ray作品「PARADE GOES ON TOUR at 中野サンプラザ」が登場。気になるグループの現状も含め、ヤママチミキ、ユメノユア、月ノウサギのお三方に話を訊きました(インタヴューは1月末に行いました)。

GANG PARADE PARADE GOES ON TOUR at 中野サンプラザ FUELED BY MENTAIKO/ワーナー(2020)

 

いろんな課題が見つかった

――いま振り返ってみて、中野サンプラザでのワンマンはいかがでした?

ユメノユア「夢心地というか、あっという間でした。それこそツアー初日にあんまり準備できてない状態で挑んでしまったっていう失敗もあったので、みんなでファイナルに向けてやってきたつもりだったんですけど、達成感よりも〈あれ、もう終わってる〉っていうぐらい、気付けば時間が過ぎてしまったみたいな感覚があって」

――やる前と気分は違いましたか。

ユア「ファイナルでもあったし、ホールでの初めてのワンマンということで、前から凄く楽しみにしていました。でも、やっとファイナルで中野サンプラザっていう場所を用意していただけるぐらいになれたのかな?って思ってしまっていたけど、振り返ると自分たちの実力がまだ足りてなかったなって」

ヤママチミキ「あっという間に終わってしまったのはユアと同じですけど、グループ全体というより私個人が〈もっとこうしたら良かった〉っていう課題をたくさん残してしまったと思ってます。ツアーに対する自分の考えの甘さとか準備の足りなさがずっと在り続けた、にもかかわらずファイナルも自分のミスで崩れてしまったなって。その気持ちが終わった直後から消えなくて……ここまで引きずることってあんまりなかったので、初めての感覚ですね」

月ノウサギ「その時やれることはやりきったけど、そもそもやれることはまだあったんじゃないかなっていう気持ち。ユアさんが言ったように、準備不足のままツアーが始まってしまったのを取り返そうとしたというか、みんなファイナルは〈どうにかしないと〉って、半ば焦って準備をしたんですけど、テストの3日前から徹夜で勉強した学生みたいな感覚で……あ、私たちが3日前に徹夜で準備してたわけじゃないですよ」

――わかっております(笑)。

ミキ「真面目か(笑)」

月ノ「徹夜してテストを受けても、結局フルの調子ではないじゃないですか。それならもっと前から準備して、ぐっすり寝て本番を迎えたほうがいいはずなのに、そういう状態で立てたライヴではなかったかなと思って。もちろん最大限にお客さんを楽しませる気持ちで準備していったんですけど、純粋にホールというものの壁を、立ったことで実感したというか。現実的に椅子がある会場での楽しませ方とか、いろんな課題が見つかって。中野サンプラザっていう壁にブチ当たった感じはありました」

――いつもと違う入場シーンから見どころですけどね。

月ノ「そうですね。豪華なセットも組んでいただいてるので、春から回るホール・ツアーをイメージしていただけやすいと思いますし、代表的な曲が多いセットリストなので、初めて観る人にも届きやすい、伝わりやすい映像作品になってるなって思います」

ユア「あと、今回は初回盤のドキュメンタリー映像も楽しみにしてほしいです。10人がツアーの10か所で一人ずつフィーチャーして撮っていただいてて、ステージ上では見えない一面とか、あまり表に出てないメンバーの個性やおもしろさも垣間見えると思うので、そっちを観たうえでライヴを観てもらえるとまた印象も変わるんじゃないかなって」

月ノ「ツアーの表と裏みたいなね」

ミキ「それぞれがけっこう深く話したものをまとめていただいてるので」

ユア「そうやって葛藤してる姿を知っていただけたらまた共感してもらえるんじゃないかって、ポジティヴに言うと(笑)」

――つまり、けっこう重めの内容になってるということですね(笑)。

ミキ「パッケージはめっちゃ楽しそうなのに(笑)。いままでそういう陰の部分っていうか、悩んでる感じを出してきたことってほぼないので、〈なんかギャンパレ楽しそうじゃん〉ってライヴで知ってくれてる人たちにも新たに知ってもらえる部分が多いかな」

月ノ「逆に、悩んでる画だけを見せてもお客さんを置いてきぼりにしちゃうと思うんですよ。実際に中野サンプラザのアンコール前の映像を観て意味がわからなかった人もきっといると思うので。この作品があって、私たちがこれをどう消化するかが大事になってくるし、〈この時期があったから、いまこうなってるんだよ〉って前を向いてる姿をここから見せていきたいと思います」

 

いなくなる覚悟

――いま月ノさんが仰ったアンコール前の不穏な映像ですが、その撮影時はサキさんの脱退が決まる前ですよね?

月ノ「はい。実際にサキさんが決断したのも中野の後だと思います。ツアー中に心をよぎっていたことはあると思うけど」

ミキ「その前兆はあったんですけど」

ユア「〈辞めようか考えたことがある〉っていう話は、9月ぐらいにツアーに向けて話し合ってる最中にサキちゃんから出てきて。でも、その時は〈そういう時期もあったけど、乗り越えられた〉っていう話だったので」

――決定はどのように聞いたんでしょう。

ユア「12月の中旬ぐらいに事務所に集合する日がスケジュールに入ってたので、ツアーに向けて渡辺(淳之介:WACK代表)さんから叱咤激励があるのかなって思ってドキドキしながら行ったんですよ。そしたらサキちゃんから脱退の話があって」

月ノ「いろんな話を想像してはいたけど、斜め上からズドーンって来た」

――その瞬間は率直にどう感じましたか?

ユア「私は……ムカつきました。ずっとお給料もないような頃から一緒にやってきて、メンバー脱退も経験して、やっとメジャー・デビューできて、横浜アリーナにも武道館にも立ちたいって言ってたのに、なぜいまなの?って。私はサキちゃんと渡辺さんと仕事したいって思ってグループに入れてもらったので。そうやってサキちゃんが諦めるようなグループにしてしまった自分にムカついたし、聞いた瞬間は、同じぐらいサキちゃんにも〈何なんだよ〉って思いました」

――事前に相談がなかった寂しさもある?

ユア「そうですね。言ってもらえなかったのが心残りというか……それは正直いまもあります。昔いたメンバーが辞めるか悩んでて相談された時、〈渡辺さんに話したらもう決定だから、その前にもっと考えなよ〉ってサキちゃんが言ってたのを凄く覚えていて。だから先に渡辺さんに言ったってことは、〈あ、もう覆せないことなんだ〉って。サキちゃんもそれだけの覚悟で決めたと思うので、その場ですぐ怒りから切り替えて、じゃあ10人で残りの期間に何ができるかだったり、9人になってどうするかだったり、先のことを考えはじめるほうに向けました」

月ノ「サキさんが自分より先にギャンパレからいなくなる覚悟はずっとしていて。私とハルナが入ってすぐの時期に偶然3人で帰ることがあって、その時にポロッとサキさんが〈私はあと3年はいないと思うから、2人に期待してる〉って言ってて、その時から想像したこともあったし、ずっと覚悟もしていたんですけど……早かったというか、この段階でそう決断させてしまったことは、最終的に本人が決めたことだけど、原因は自分たちにもあると思うので、最初に浮かんだ気持ちは〈ごめんなさい〉でした」

――〈カミヤサキ担当〉としてミキさんはどう感じましたか。

ミキ「懐かしい(笑)。まあ、聞いた瞬間は単純に絶望でした。うん、やっぱりこの世界に入ったのはサキちゃんがいたからで、そういう人がいなくなるって……逆に何も思えなかったかな。この言葉を口に出すのも申し訳ないけど、いちばん強いのは〈後悔〉です。9月の段階でさっきの話をサキちゃんに聞いた時から、月ノと同じでいつかそういう未来があるっていう覚悟はしてたんです。でも覚悟が足りなかった。もうちょっと長く一緒にやれると思ってたし、9月に話してくれた段階で自分自身もグループも変わってたら、もしかしたら違う未来もあったかもしれないけど、自分がそういうふうに行動しなかった後悔はいまもあります」

――その9月以降の過程で個々に話したりはしなかった?

月ノ「ツアーの時に私はけっこう話してて、〈もうエネルギーを絞り出せなくなって、初心とか熱量を担えるのは若いメンバーだと思うから、その面で引っ張ってほしい〉って話をしてくれました。いま思うとSOSだったのかもしれないんですけど」

ユア「サキちゃんの言う、その部分は凄くわかるんです。がんばりたいけど、がんばり方がわからなくなった時期は私もあって。以前は負け組のストーリーみたいなものがあって、勝ちたいという気持ちがわかりやすく熱量や原動力になっていたけど、昔とは違う状況下でそれをどう表現していいのか悩んでた時にサキちゃんも凄く共感してくれたし」

――いまはどう受け止めていますか?

ミキ「話を聞いて、でも私は続けるっていう選択をした時点で消化できたって自分では思ってたんですけど、最近またモヤモヤがループで来るっていうか……でも、それはしょうがないかなって。前からサキちゃんがいなくなる時期はあったけど、今回は自分でも消化の仕方がまだわかってなくて」

辻山(マネージャー)「俺はもう続けてくれるだけで嬉しいよ」

――いきなり登場(笑)。

ミキ「アハハ(笑)。渡辺さんにも同じように言われて、ファンの人たちもそうですし、続けるって決めただけで喜んでくれる人もいるので、私はそこを糧にしていかないといけないなって感じてます」

 

次の変化も力に変える

――そこから10人の雰囲気は変わった?

ユア「う~ん、サキちゃんの脱退に付随して変わる感じはないかもしれないです。サキちゃんがいるいないにかかわらず、GANG PARADEをどうにかしないといけないって、全員が思ってるのは感じるけど」

月ノ「うん。ただ、サキさんが脱退を発表した1月の〈WACK甲子園〉では、この先のギャンパレの見え方に繋がるっていう危機感を全員が持ってたなって感じました」

――特にハルナ(・バッ・チーン)さんの気迫が凄まじかったです。

ユア「それ、いろんな人に言われた(笑)」

月ノ「ハルナは本能的にスイッチが入るというか、〈ここでがんばれなきゃダメだ!〉って時にバチンって気合いが出せる子なので。たぶんみんなにとってそういう日だったのかなって思います」

――2月からWACKツアーが始まっていて、4月からは初めてのホール・ツアー〈MY FIRST HALL TOUR〉で6か所7公演があって。5月22日の中野サンプラザ公演が10人最後のステージになりますね。

ユア「ずっと頭の中にはあるし、一緒にいる時間は限られたものだから、いまは何を盗んでやろうかって個人的には思ってるんですけど(笑)、サキちゃんが辞めることに引っ張られすぎると良くないっていうか、GANG PARADEは続くし、私たちがそうなってたらお客さんもサキちゃんがいなくて大丈夫なの?って不安な方向に行っちゃうと思う。私はそれよりGANG PARADEをもっと高みに連れていきたい気持ちのほうが強いし、ここからどんなグループになるのかなって未来を楽しみにしてもらえるほうに気持ちを引っ張っていかなきゃいけないなって」

――その通りです。

ユア「こういうインタヴューや今回のBlu-rayで葛藤してる姿も見せるからこそ、逆にステージにはそれを持ち込まないで、もっと楽しい景色が見れるよって発信していかないとギャンパレのいちばんいい場面が中野サンプラザで終わってしまう。私はサキちゃんにめちゃくちゃ後悔してほしいと思ってるから、そういう状態にしたくないです」

――辞めた方に〈後悔させる〉っていうのは、昔サキさんが仰ってたことですよね。

ユア「そうなんです。サキちゃんの背中を見て育ってきたから(笑)、どうしてもそう思っちゃう。当時は〈そこまで言わなくても……〉と思う自分もいたんだけど、いまはサキちゃんの言ってた意味がわかる。サキちゃんは責任を持って最後までやり抜く人だから、私たちもそこに引っ張られないでもっとやらなきゃいけないし、もっとかっこいいGANG PARADEになることが、グループを作ってくれたサキちゃんへの恩返しなのかなって」

月ノ「ずっと変わってきたグループじゃないですか。私が入る前から名前が変わったりトレードがあったり……だからまた形は変わるけど、そうやって更新して、変化を良いものにしてきたからこそGANG PARADEの現在があると思うので、次の変化も力に変えられるようにがんばりたいですね」

ユア「3月にはWACKのオーディション合宿もあるからね。今年は月ノが参加して」

月ノ「オーディションは候補生のためのものなので、自分が2年前に候補生として参加した時のことを思い出しながら準備してます。私一人では見せきれないと思うんですけど、合宿を通じて〈あ、ギャンパレ大丈夫かもな〉って思ってもらえる人として臨みたいです」

ユア「何が起こるかわからないけど、遊び人(GANG PARADEファンの総称)のみんななら変化に対応して応援してくれるんじゃないかっていう信頼はあります」

ミキ「まずはWACKツアーでギャンパレを初めて観るお客さんもいると思うので、そこで気になった人に私たちのツアーにも来てもらえるようにしつつ、〈MY FIRST HALL TOUR〉は10人で見せられる最後のツアーになるから、寂しい気持ちで来てくれるお客さんもたくさんいると思うんですけど、やっぱりギャンパレらしく〈みんなの遊び場〉っていうコンセプトは絶対に守っていって、どの公演でも〈私たちはこれからも進んでいくよ、大丈夫だよ〉って伝えていけるツアーにしたいですね」

 

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