こんにちは。TOWER DOORSスタッフです。

前月紹介したアーティストから数組を選出してスポット・ライトを当てる企画〈TOWER DOORSが選ぶベスト・ニュー・アーティスト〉。TOWER DOORSは毎月25~30曲をYouTubeチャンネルで紹介していますが、ここではなかでもおすすめのアーティスト、これからの活躍が期待されるニューカマーをピックアップ。スタッフが厳選したアーティストを、注目ポイントやコメントとともにリスナーのみなさんにお届けしていきます。

YouTubeチャンネルのほうでは同内容をポッドキャストで発信、このブログと連動させています。ポッドキャストはTOWER DOORSの総合チャンネルで公開しているので、併せてお楽しみください。

それでは、TOWER DOORSが選ぶ2021年7月のベスト・ニュー・アーティストを7組ご紹介しましょう。

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お風呂でピーナッツ

ヴォーカリストの樋口可弥子と、ギタリスト/コンポーザーの若林純による音楽ユニット、お風呂でピーナッツ。樋口はバーバリーやディオールなど多くの有名ブランドで活躍し、パリ・コレクションなどにも出演した現役のモデル。一方の若林は、a子のサポート・メンバーを務めつつ、ビッグバンドやR&Bバンドでの演奏も行い、コンポーザーやアレンジャーとして活躍しています。

そんな多才な2人が奏でるのは、独特なバンド名に劣らない独創性に満ちたサウンドで、ジャズやフュージョンといった技巧的なスタイルにR&Bやヒップホップなどのエッセンスを散りばめた音楽。さらに、若林のビッグバンドでの経験が活かされた、楽曲の劇的な展開や壮大なアレンジには驚かされます。そういったサウンドに樋口の深みのある洗練された美声が絡み合い、唯一無二の世界を形作っているのがお風呂でピーナッツです。

 

S.A.R.

S.A.R.は、東京を拠点に活動するsantana(ヴォーカル)、Attie(ギター)、Alex(ピアノ)からなる3人組。2021年7月にアーティスト育成プロジェクト〈GIANT LEAP〉の優秀アーティスト〈1st GIANT LEAP PRIZE〉に選出されるなど、いま注目を集めるアーティストです。

彼らの音楽性は、R&B/ソウルやヒップホップを下地としたグルーヴィーでメロウなサウンドにポップでメロディアスな旋律を取り入れた、とても親しみやすいもの。YouTubeチャンネルではAdo“うっせぇわ”などヒット・ソングのカヴァーを発表しており、その独特な再解釈やアプローチには驚かされます。日英スペイン語が入り乱れる歌やラップは魅力的ですし、今後彼らがJ-Popシーンに新たな波を起こすことは間違いありません。グローバルな注目を集める可能性も高く、7月のベスト・ニュー・アーティストに選出しました。

hirihiri

hirihiriは、2018年からDAWで作曲を始め、同時期に現在の名義で活動を開始したアーティスト。彼の音楽的な魅力は、Hyperpop × エモ・ラップ的なサウンドからボカロやEDM/ベース・ミュージックの要素が色濃いトラックまで、幅広いジャンルを縦横無尽に行き来し、煌びやかでエッジーなトラックを作り上げている点です。また、ウワモノのシンセサイザーとベースの音が多彩で、彼の持つ音楽的なパレットの豊富さに驚かされるばかり。

今回、彼をベスト・ニュー・アーティストに選出した理由は、ポスト・ジャンル的な音楽性でありながらも、しっかり〈hirihiriらしい〉と感じるオリジナリティーが備わっている点です。ウ山あまねphritzといった同世代のアーティストと並んで、いまもっとも注目すべきアーティストの一人だと思います。

 

本常詩音

東京を拠点に活動する宅録音楽家、本常詩音。2020年からYouTubeなどにカヴァーを投稿しはじめた彼は、2021年3月にファースト・シングル“極光の街”を発表。その圧倒的なクォリティーの高さとポップネス、多重録音による綿密なアレンジで早耳リスナーを魅了しました。

ジャズ、ソウル、ファンクなどをベースにしながら煌びやかなエレクトロ・ポップの要素やJ-Pop風のメロディーも取り込んだ鮮やかな音楽性、緻密に練り上げられたサウンド・プロダクション、そして洗練されたソングライティングは、まさに今月のベストニューアーティストにふさわしい実力です。TOWER DOORSが紹介してきた浦上想起松木美定碧海祐人といった新世代の多重録音作家たちに匹敵する、才気あふれるアーティストだと感じます。

SORI

愛知出身で、現在は東京を拠点に活動するシンガー・ソングライターのSORI。彼女は、〈聴けば聴くほど、歌詞を読めば読むほど、面白くハマっていく〉ことを心懸けて音楽を制作しています。

そんなSORIの魅力は、なによりもヴォーカルです。少しハスキーな声質を活かした耽美的な発声や節回しは、とても魅力的。独特のヴォーカリゼーションで歌われる、切なく甘酸っぱいリアルなストーリーを持ったリリックもポイントで、彼女の言葉どおりに〈聴けば聴くほど〉クセになるのがSORIの音楽です。歌とギターをベースに、シンプル極まりない音数の少ないプロダクションで豊かな情景を描き出す才能はずば抜けています。そういった観点から、ベスト・ニュー・アーティストに選出しました。

 

Masahiro Sengoku

岐阜出身で現在は大阪を拠点に活動するシンガー・ソングライターのMasahiro Sengoku。彼は19歳から活動を開始し、2020年のファースト・シングル“What Is Love”を皮切りに、コンスタントに楽曲をリリースしています。

Masahiro Sengokuの音楽的な魅力は、そのサウンドです。R&B/ソウルをベースに、ローファイ・ヒップホップ系のビートを組み合わせ、そこに洗練された彼の歌声が重なり合ったダークでメランコリックな音楽性は唯一無二。透明感あふれるファルセット・ヴォイスと渋くクールな歌声を使い分けるヴォーカリゼーションも見事で、そのコントラストによって楽曲はより臨場感のあるロマンティックで美しい作品へと昇華されています。楽曲に深みを与える歌声や磨き上げられた作曲センスから、7月のベスト・ニュー・アーティストに選出しました。

 

kunmohile

2020年4月に土屋和人(ヴォーカル/ギター)、富島陸央(ギター)、小白裕之(ベース)、玉井正喜(ドラムス)によって結成された東京の4人組、kunmohile(クンモハイル)。kunmohileは、2021年5月にデビューEP『kunmohile』をリリースしたばかり。60~70年代のカントリーやフォークからの影響を感じるサウンドに、日本語ポップスのメロディーを重ね合わせた音楽性が彼らの特徴です。

今回kunmohileをベスト・ニュー・アーティストに選出した理由は、日本語の独特な響きを活かしたポップなメロディーを、違和感なくアメリカーナ的な演奏に溶け込ませるセンスがずば抜けているからです。さらに、土屋の気だるげな歌声やトロピカルなサウンド、スティール・ギターを取り入れたメロウなアレンジもとても魅力的で、西海岸のインディー・ロックやWilco、はっぴいえんど、never young beachなどのファンにぜひおすすめしたいアーティストです。