JP THE WAVY LIFE IS WAVY bpm tokyo(2020)

 そうした駆け足のキャリアとここ数年の奮闘を集大成したのが、待望の初フル・アルバムとなる『LIFE IS WAVY』だ。LAと日本で制作されたという今作には、先述の“Neo Gal Wop”から昨年の“GOOD PEOPLE GOOD COFFEE”、八村塁に敬意を表した最新カット“Louie 8”に至るまでの先行シングルを満載しつつ、多様な形で繋がってきた世界の才能が集結している。m-floのVERBALが駆けつけた幕開けの“OK, COOL”からして韓国のNo IdentityとUSのデイヴィ・ネイトの共同プロデュース。ヴェトナムのOnionがクリスピーなビートを提供したメロディアスな“BLIND”にはジェイ・パークが客演する布陣もおもしろい。“興味がない感じ”を毒々しく彩るスター・ボーイなどUS勢と思しきビートメイカーが目立つなか、日本勢ではヴェテランのJIGG、馴染みのdubby bunnyも駆けつけ、オリジナルにOZworldを招いた“GOOD PEOPLE GOOD COFFEE(Remix)”にはAKLOとMonyHorse、LEXが駆けつけるなど内容は実に豪華でキャッチーだ。闇雲なワールドワイド志向ではなく、現在進行形のヒップホップを共通言語として自由に繋がっている様子が美しいし、そうでなくても単純に楽しい楽曲が粒揃いで素晴らしい。このセンスがある限り、彼はこの先もWAVYな姿で波に乗っていくはずだ。

 


JP THE WAVY
93年生まれ、神奈川は湘南出身のラッパー/ダンサー。中学生の頃にダンスを始め、クルーのDo The Right Inc.(D.T.R.I)で活動。18歳の頃からラップも行うようになり、2016年からJP THE WAVYを名乗るようになる。2017年5月に動画を公開した“Cho Wavy De Gomenne”がバイラル・ヒットを記録し、8月に初のEP『WAVY TAPE』を配信。DJ CHARI & DJ TATSUKIの“ビッチと会う”に参加したのを皮切りに、加藤ミリヤやMINMI、SALU、DJ RYOW、m-flo、AKLOらの楽曲に客演していく。2018年末の“Neo Gal Wop”からコンスタントにソロ曲をリリース。今年に入って“Louis 8”も話題のなか、ファースト・アルバム『LIFE IS WAVY』(bpm tokyo)を4月8日にリリースする。