キダー・マッセンバーグの下を離れ、前作『Doubleback: Evolution Of R&B』から1年未満という短いスパンで届けられた通算11枚目。オープニングを飾るスピナーズ“I'll Be Arond”似のステッパーズ“Future Teller”が始まって1分も経たないうちに骨抜きにされるが、以降も円熟の境地と呼ぶにふさわしいエレガントなR&Bが目白押し。マーヴィン・ゲイ“Come Get To This”のアップデート版といった趣の“Sex Ain't A Weapon”、プリンス“I Wanna Be Your Lover”~ブルーノ・マーズ“Treasure”の間を突くようなモダン・ファンク“Love Sex Hollywood”など、曲が変わるごとに溜息の出るパーフェクトな全16曲。リック・ジェイムスの同名曲を大胆に引用した前作収録“Mary Jane”の嬉しいリミックスもある。