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【天野龍太郎】

三浦大知 “Yours”

〈毎日/止まる事なく進んでいく〉〈誰のものでもない 俺の物語/何をどうするか 選び続けたい〉という歌詞は、まさにアーティスト=三浦大知の姿勢そのものでは。トラップやエレクトロを飲み込んだ独自のサウンド・プロダクションと、魂の震えのようなヴォーカル。〈これは人生〉と宣言する覚悟の一曲に、こちらの身も引き締まる。

 

星野源 “折り合い”

ささやかでかわいらしい、小さなソウル・ミュージック。〈可愛げのある危機と/そうじゃない方〉の、2つのせめぎ合い。ミュージック・ビデオに出演しているのは石橋静河さん。そして監督は三宅唱さん! 映画「きみの鳥はうたえる」の組み合わせですね。

 

South Penguin feat. NTsKi “bubbles”

NTsKiと組んだ、ということがまずクールなSouth Penguinの7インチ・シングル。ベースラインが最高すぎる、不穏で不安な妖しいファンク! プロデュースを担ったのは引き続き岡田拓郎。絶好調です。

 

なかむらみなみ “Don’t Worry”

パーティーやライブが日常から失われて、もうずいぶん経つ。〈フロアで吸う空気〉や〈楽屋で馬鹿騒ぎ〉が恋しい。でも、〈Don’t Worry〉。プロデューサーはandrew。

 

C.O.S.A. “May (Losses Freestyle)”

〈テレビが教えてる人の煽り方/人の叩き方 人の潰し方/どうでも良いけど家族の邪魔すれば/政治家 タレント 容赦なく殴ってやる〉。C.O.S.A.の新曲を聴けるだけで、私は感動でちょっと泣いてしまいます。

 

Monkey In Yellow “Streetlights / Shrink World”

新作『Heroes & Villains』(ビーチ・ボーイズ!)をTESTCARD RECORDからリリースしたばかりのMonkey In Yellow。彼らから届けられたのは、喫茶SMiLEでのセッション映像です。レコードでは緻密な音作りが楽しく、そこが魅力なのですが、ライブだと芯のある歌にぐっときますね。渋谷HOMEによる〈FANCLUB〉は、500円からの投げ銭を募っています。

 

ann ihsa “たぶん”

2週間ほど前、本当に偶然出会ったのがann ihsaというバンドでした。この“たぶん”という曲を聴いて、いまにも壊れそうな繊細な歌と詞、バンドのアンサンブルに、強い衝撃を受けました。それからアルバム『shuda shuda』を買って、ひっそりと耳を傾けつづけています。確実にマヘル・シャラル・ハシュ・バズやyumboの系譜にあるバンド。ライブを観てみたい!

 

【鈴木英之介】

岡田拓郎 “Morning Sun”

最新アルバムの冒頭を飾るタイトル曲。フォーク・ロックを基調とつつその枠内に収まらぬゴージャスなコードワークとAORを思わせる甘くシルキーなヴォーカルが、ビッグ・シーフらと共振するような隙間の活かされた音像と見事に調和している。

 

Wool & The Pants “Bottom Of Tokyo”

深くエコーのかかったトラックに乗せ、淡々としかし切々と東京の淵における孤独をつぶやく若者たち。そこには真夜中のマクドナルドにおける物寂しい生のありようを重くダビーな音世界で表現した、かつてのブリアルの姿がオーヴァーラップしてくるようだ。

 

TOWA TEI WITH HANA “MAGIC”

玉城ティナや水原佑果など、みずからの曲に迎える女性ゲストのセレクトの確かさに定評あるテイ・トウワが今回また一人のニュースターを発掘! 肉感的な打ち込みとキュートで洒落たメロディーライン、そしてゲストヴォーカルHANAによる〈MAGIC♪ MAGIC♪〉のリフレインがクセになる中毒性の高い一曲だ。

 

くるり “ダンスミュージック”

トータスを筆頭とするシカゴ音響派の影響を受けながらジャムセッションを重ねて少しずつ形にしていったというこの曲は、ミニマルミュージックやエレクトロなどロック外の要素を取り込んで進化してきたくるりのキャリアにおいても異彩を放っている。