〈TOWER PLUSアーカイブ〉は、これまでMikikiに転載されていなかった過去のTOWER PLUS+(tower+)の記事を転載するシリーズです。情報は掲載当時のものです。オリジナル記事:tower+ 2016年2月号

 

最新デジタルマスタリング&高品質CDでさらに輝きを増した〈永遠のスタンダード・ナンバー〉全52曲収録した、ZARDデビュー25周年記念・究極のオールタイム・ベスト・アルバムを、デビュー日にあたる2月10日にリリース! 5年振りとなる、〈坂井泉水の歌声〉と〈バンドの生演奏〉がシンクロする25thアニバーサリー・ライブも決定!

ZARD 『ZARD Forever Best~25th Anniversary~』 B-Gram(2016)

早春、初夏、盛夏、秋冬、と季節毎に分けて収録。日本の情緒と重ねてみても新たな発見があると思います

今年デビュー25周年を迎えるZARD。昨年の大晦日にパシフィコ横浜で開催された25thアニバーサリー・イヤーの幕開けを飾るキックオフ・イヴェント〈ZARD 25th Anniversary Eve 〜Screen Harmony & Gallery〜〉には、11時の開館から21時半の閉館まで来場者が途切れる事なく多数の人で賑わい、坂井泉水さんの逝去から8年が過ぎても尚、ZARDの楽曲、存在が、現代に息づいている事を実感させられた。そんな中デビュー日にあたる2月10日にオールタイムベストがリリースされる。

オリコンシングルTOP10獲得数女性アーティスト歴代3位(43作)、アルバム連続ミリオン獲得数全アーティスト歴代1位(9作)を始め、日本音楽史に多くの記録を残してきたZARD。今作には、数々のヒット曲を生んだ全楽曲から選曲された52曲を収録している。

「選曲は長戸大幸プロデューサーと相談し決定しました。曲順については、〈Blu-spec CD2TM〉の高品質を最大限に生かすためにディスク1枚あたり63分以内に収めるようにし、13曲入りの4枚組になっています。また曲順に関しても、坂井さんの歌詞の世界観を表せたらと思い、【早春】【初夏】【盛夏】【秋冬】と季節毎に分けて収録しています。日本の情緒と重ねてみても新たな発見があると思います」とはZARDレコーディングディレクターの寺尾広氏の談。

また、「ZARDの制作現場は常にこだわりが強く、歌入れが1回でOKという事はほぼなかったですね。“運命のルーレット廻して”に関しては果てしなくて、アレンジを含めると8ヶ月くらいやっていました」と話すのはZARDレコーディングエンジニアを担当してきた島田勝弘氏。

さらに、「1曲に対して複数の人がアレンジをした中から一番曲にあっているものを選ぶという形をよく取っていましたが、“運命のルーレット廻して”や“息もできない”や“Don’t you see!”等は、Aさんのアレンジをベースに、ここはBさんのフレーズを入れて、次はCさんのフレーズを入れようという風に、複数のアイデアを長戸プロデューサー指導の下、坂井さんディレクションでパズルのように組み合わせて1曲に仕上げています。6thアルバム『forever you』の途中からセルフ・ディレクションになりましたが、それ以降坂井さんはほとんど全ての制作にかかわって、一切妥協を許さない姿勢を貫いていました。」(寺尾氏談)

実際坂井さん自身『forever you』リリース時に、「みんなが〈いい〉と言っても、自分の中に疑問が残ったら、その場で言うようにしています。それは結構細かい事なんですけど、みんな疲れているせいもあって雰囲気が重くなる時もあるし……そういう時は〈ダメもとでお願い〉って懇願します(笑)」というコメントを残している。

様々なアイデアと技術、そして何より坂井さん始め制作者の熱い思いが1つになり、より良いものを追求してきたからこそ多くの名曲を生んできたZARD。今作は制作スタッフのライナーノーツ付きという事なので、曲に込められたこだわりを感じつつ、改めて1曲ごとじっくり聴き込むのも良いだろう。

さて、毎年日本テレビ「24時間テレビ」のマラソンコーナーで“負けないで”が歌われたり、音楽番組の特番等でZARDが取り上げられる事も多く、その影響もあってか、オフィシャルモバイルファンクラブはデビュー当時を知らない10代、20代のファンも増え会員数を伸ばしているという。また2006年リリースの『Golden Best ~15th Anniversary~』は今も尚コンスタントにセールスを伸ばしているそうだ。今作には坂井さん最後のレコーディング曲“グロリアス マインド”、未発表であった“翼を広げて”等、彼女が旅立たれた後に発表された楽曲も含め、『Golden Best ~15th Anniversary~』未収録20曲、ベスト(セレクション含む)アルバム初収録8曲収録と、ベスト初収録が多いのも押さえておきたい特筆すべき点。お見逃しなく!

〈ずっと(=Forever)傍において、聴き、歌い継いで欲しい〉という想いが込められたオールタイム・ベスト。このオールタイムという言葉には、〈過去の全作品を通して選曲され、キャリアが総括されたベスト盤〉という一般的な意味合いだけでなく、〈全ての時間……人生の様々なシーンに寄り添って〉という意味合いも込められているのだろう。1998年の雑誌取材で坂井さんは、「寂しい時、苦しい時、近くに私を感じてもらえたら嬉しいです。皆さんからのパワーで私も元気づけられます。いつも応援してくれてありがとう」とメッセージしている。この想いが、今作に乗って多くのリスナーに届く事を願いたい。