Page 3 / 4 1ページ目から読む

素直になれなくて

――そして月ノさんは“YEAH!!”と“ズルい人”の2曲で、ついに歌詞を採用されました。

月ノ「ついに(笑)。まず“YEAH!!”はいつかできるライブの日を想像しながら書きました。サビの〈だってこの日をずっと待っていたのさ 声を聞かせて〉も、いまの状況の自分の気持ちというか。早くライブでやりたい気持ちでいっぱいですね」

メイ「テンポが速くて、最初から最後まで歌が入ってるので、聴いてるだけで凄い気持ちがノッてきます。振付けもギッシリ詰まっててめちゃくちゃハードなんですけど(笑)、ライブでやったらめちゃくちゃ盛り上がりそうだなって思います」

――グループ名の曲ではないけど、〈楽園のテーマ曲〉みたいな感じですよね。

月ノ「はい、実は仮タイトルが〈PARA­DI­SE〉だったので、最初からパラダイス感強めでしたね」

――そしてもう1曲“ズルい人”は一転して昔のアイドル歌謡みたいな雰囲気です。

月ノ「そうですよね。歌詞を提出した時に辻山さんから〈平成初期っぽいね〉みたいな返信がきて、自分では意識してなかったんですけど、曲の雰囲気に合った歌詞が書けたのかな?と思ってます。これは〈雨の西中洲〉っていう仮タイトルだったので、私も雨の情景が浮かんで〈傘〉とか〈雨予報〉とかのワードを入れたんですけど、自分的にはアイドルに魅了されて〈自分もその世界に行きたいな〉って思ってる女の子の話を書いた感じです。〈なれるわけないのにな〉って思いながらも、気持ちを抑えられない生々しさをイメージして」

――女の子同士の恋愛にも思えました。

月ノ「そうなんですよ。配信された時にそういう解釈をしてる方もいて、広い目で見れば確かにそういう感じかなと思いました。歌詞が世に出て、いろんな解釈をしてもらって曲の世界が広がっていくんだな……って私は今回初めて知りましたね(笑)」

――では、ナルハさんですね。“お願い”

ナルハ「これは家にずっといる期間に、 母親と喧嘩した時に書いた歌詞です。私はコミュニケーションがもともと苦手で、家族ともすれ違いがあったり、ぶつかることがあるんですけど、普通に〈ありがとう〉とか〈ごめんね〉とか言えればいいのに、素直になれないところがあって」

――最近もそうなんですか?

ナルハ「いまもですかね(笑)」

月ノ「思春期だね」

ナルハ「それで〈悪い子なんです〉という歌い出しなんですけど、それでも自分のことを許してくれる人がこんな身近にいるから、もっと自分も素直になりたい、けどなれない、でも見捨てないでね、みたいな(笑)」

――なるほど。歌詞の言葉がシンプルで強いから何があったのかと思いました(笑)。

ユユ「最初聴いた時、めちゃ心配しましたね(笑)」

――ある意味、ずっと家にいたから書けた内容というか。

ナルハ「そうですね。いままで私が書いてきた歌詞って意外と〈未来見える系〉〈希望ある系〉だったので、違う雰囲気のも書いてみたいなって思ったのもあって、ちょっと暗めな歌詞にしたんですね。暗すぎて採用されると思ってなかったけど(笑)」

メイ「いや、ずっしりした曲だなって思ってたんですけど、いま話を聞いたら、言っちゃえば親子喧嘩の歌じゃないですか。そう思ったら急に温かみを感じたというか、自分にも共感できるというか、私もなかなか親に〈ごめんね〉とか言えないんで、心の中にスッと入ってきました(笑)」

月ノ「思春期だね」

――アハハ。続いては“PURE GIRL”です。

ナルハ「“PURE GIRL”はノリで書いたっていうか、深夜テンションをイメージした歌ですね。最初のほうに〈夜中の12時〉 って入れたのは、たぶん12時ぐらいに書いてたからで、その時の気持ちを早口っぽいパートに当てはめていって。サビは、夜になると一日を振り返ってみて〈今日はこういう日だったな〉とか落ち込んだりすることがあるって思うんですけど、いまいる地球は広いし、海も広いし、ちょっと壮大に考えてみれば、そんな自分も受け入れてくれる人はいるだろうなって(笑)。そういう考えを持ちたいし、マイナスに考えても良いことないしな、みたいな歌ですね」

月ノ「〈青く広い星〉って凄い残っていいですよね。急にデカく出たな~と思って(笑)」

――それとまたテイストの違うのが、山田なる名義での“青い春”ですね。

ナルハ「はい、私は『今日、好きになりました。』に出演させてもらったので、これはもう、〈山田なる〉の気持ちで書きました。番組に出た時のことを思い浮かべたり、あとは普通に聴いてて青春っぽい曲にしようと思って。同世代の子が恋してる時に思うような気持ちみたいなのを考えました」

メイ「イチゴって感じですよね(笑)。いましか出せないキラキラ感というか、甘酸っぱい感じが出てて〈いいな~〉って」

月ノ「やっぱり恋愛ってたくさんの人にとっての身近なテーマなので、そういう人に届けられる歌を書けるのは山田なるの強みだし、ちょっとスピッツさんみたいな、いろんな人に耳馴染みするサウンドにまっすぐな歌詞も合ってるから、素直な気持ちになる曲ですね」