メジャーからの初フル・アルバムは、インディー期の人気曲も多く揃えた全13曲。軽やか&密やかな〈らしさ〉全開のポップソング“good morning”、キュートにロールする90sオルタナ調の“miss u”、オリエンタルなディスコが宇宙的テクノへと変貌する“ベージュと桃色”、メランコリックなR&B“つまらん”といった初出の曲も多彩だが、最たる新味は生々しい地声を初披露した終曲の“ボーダーライン”。耳慣れたウィスパー・ヴォイスと交錯するレイジーな歌い口が新鮮で、陰影ある感傷がじわじわと胸に広がる。さまざまな〈愛〉を映した詞世界と共に、ポップスとしての独自性をより強めた感が。