映画作家の魅力を掘り下げて、一人一冊の形で取り上げる〈フィルムメーカーズ〉に遂にゴダールが登場。「勝手にしやがれ」以前の短編から、最新作「イメージの本」、更にコロナの言及で話題となったインスタグラム・ライブまでも網羅。本書は、責任編集の佐々木敦氏が、今までにないゴダール本とすべく〈意外性や新鮮さを重視した〉原稿依頼(38名の執筆者の人選!)の結果、一般的な意味での紹介や解説ではない刺激的な〈批評集〉となった。また、佐々木氏と〈ゴダールのポリティカルに興味ない〉菊地成孔氏の対談もいろいろな意味でスリリング。ゴダールの全体像が拡がりすぎて掴み切れなくなること請け合いの一冊である。