新婚気分に浮かれていた前作『Younger Now』(2017年)から一転、離婚後初となる本作では行き場のない怒りをぶちまけるかのようにロック・アルバムに初挑戦。ジョーン・ジェット、ビリー・アイドル、スティーヴィー・ニックスらレジェンドを引っ張り出して、80sムード満載のポップ・ロックを展開する。とはいえ、ナイン・インチ・ネイルズ風、カントリー風、デュア・リパとのデュエットなど搭載されたヴェクトルは多彩。オジー・オズボーンからサム・スミスまでを手掛けるアンドリュー・ワット、マーク・ロンソンらと描いた懐かしいサウンドには聴き覚えのあるものが多く、元ネタ探しも楽しめるはず。ヒット曲“Midnight Sky”をはじめ、ちょっぴりセンチなミッドテンポ系が光っている。