現代R&Bのトップランナーによる2年ぶり4作目。ケラーニ流のY2K解釈(?)であろう〈Coolie Dance〉リディム使いの先行ヒット“After Hours”や、アフロビーツな“Tears”で魅せるダンサブルなヴァイブは瑞々しい。ディクソンやオークらがプロデュースするR&B群をミスティックに歌う姿も彼女らしいクールネスに満ちている。なかでも、ジル・スコットのポエトリーとヤング・ミコのスパニッシュ・ラップを芳しいスパイスにした、気怠げなネオ・ソウル“Sucia”の官能的な聴き心地はたまらない。楽曲のヴァラエティーを増して変化しつつ、ケラーニ流のR&Bイズムをさらに強固にした充実の新作だ。