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【天野龍太郎】

田島ハルコ feat. Marukido & valknee “未来世紀ギャルニア”

あけましておめでとうございます。2021年もMikikiをどうぞよろしくお願いいたします。

昨年末に発表された田島ハルコさんの新曲は、サニーデイ・サービスのリミックス・アルバム『もっといいね!』でも聴けたサイバー・トランス/姫トランス路線(?)を推し進めたもの。そこにギャル仏教(??)が注入され、激ヤバなブツになっています。まず、曲名からして最高。このものすごい閉塞感に満たされたいま必要なものは、〈山塚アイみたいに/ユンボに乗って壊しちゃうeverything〉なパワーかもしれません。田島さんはまるで〈アストラルボディ〉のギャル弥勒菩薩のよう。配信リンクはこちら

 

wai wai music resort “霧の中のシルエット”

wai wai music resortのエブリデくんが編んだ『THE WORLD’S MOST PRECIOUS COWS』が元日にリリース。内容は〈2021年丑年、牛のコンピレーションアルバム〉。Tsudio StudioさんやTenma Tenmaさんなど、注目のアーティストが参加していて全曲見逃せないのですが、そのなかからwai wai music resortの新曲をピックアップしました。80sシンセ・ポップというかドリーム・ポップというか、どこかヴェイパーでとにかくユーフォリック。夢見心地の“霧の中のシルエット”は、ワイワイの新境地ではないでしょうか。Bandcampで販売中

 

yumbo feat. イ・ラン “鬼火”

yumboが配信公演〈とてもいい日だったね〉を行った12月26日、私は仕事をしながらそのライブを横目で観て(聴いて)いたのですが、イ・ランさんが参加した“鬼火”で思わず手を止めてしまいました。韓国語の歌との幸福な出会いが、あまりにも素晴らしい。シネマティックで感動的な〈とてもいい日だったね〉のアーカイヴは、期限が延長されて1月10日(日)まで観られるそうです。

 

井手健介と母船 “イエデン(Extended Synth Remix)”

井手健介と母船の傑作『Contact From Exne Kedy And The Poltergeists(エクスネ・ケディと騒がしい幽霊からのコンタクト)』から、収録曲を石原洋と共にリミックスした3曲入り12インチ・シングル『The Parallel World of Exne Kedy(エクスネ・ケディの並行世界)』が12月23日にリリース。7分超の“イエデン(Extended Synth Remix)”は、前半はクラフトワーク仕様のロボティクス・ダンス、後半はサイケ・アフロ・ディスコで、かなり強烈。

 

メトロノリ “Timer 〜 車の軋りに(To the squeaking of cars)”

メトロノリが12月にリリースした新作『Evenings』から、“車の軋りに(To the squeaking of cars)”のミュージック・ビデオが届けられました。ロケ地は多摩川沿いでしょうか。サウンドの繊細さとビデオの映画的な映像世界にぐっと引き込まれます。『Evenings』はBandcampで販売中

 

じょばんに “looking glass

なにやら某レーベルで制作が進行中だという、謎めいた宅録音楽家〈じょばんに〉の新曲。イノセントでフラジャイルでアヴァンギャルド。〈しょぼい歌声〉と書いてあるところにtiny popとの共振も感じました。年末に発表された“永遠にかわるように”もすごいです。

 

【鈴木英之介】

トクマルシューゴ “Mazume”

世界初の手書きアニメーションによる360°VR作品となった“Canaria”のMVも記憶に新しい、トクマルシューゴから届いた新曲。演奏はもちろん、録音、編集、映像まで自身でこなすDIYな姿勢が相変わらず眩しい。宅録ポップスの作り手は近年増えてきているが、そんな中でさまざまな弦楽器が見事に織り合せられたトクマルシューゴの音世界に触れると、やはり圧倒的なまでの本物感を感じずにはいられない。

 

モノンクル “抱いてHOLD ON ME!(モーニング娘。カヴァー)”

モノンクルの手にかかると、モー娘。がこんなにもドープになるのかと衝撃を受けた。ファンクのエッセンスのみを抽出せんとするような、無駄な音の削ぎ落されたアレンジはネオソウル・マナーとでも言うべきもので、聴いているとディアンジェロの“Playa Playa”などが頭に浮かぶ。

 

yuigot + 長谷川白紙 “音がする”

耳が喜んでいる! これを聴くと、そんな風に思う。その快楽性をもたらしているのは、音色選びから音が鳴るタイミング、ミックスに至るまで考え抜かれた、緻密なエレクトロニック・サウンド。そしてそれを支える彼らの〈音のデザイン感覚〉からは、どことなくCorneliusの遺伝子が感じられるような気がする。

 

【小峯崇嗣】

今週はお休みです