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【田中亮太】

MANISDRON

岡山を拠点に活動するサイケデリック・ロック・バンド、THE NOUPのメンバーであり、日野浩志郎率いるgoatのドラマーでもある岡田高史のソロ・ユニット。THE NOUPの特徴でもあるジャーマン・ロック~ノーウェーヴ的なリズム感覚を、本名義では打ち込みのビートにトレース。さらにマッドなシンセ・フレーズが焦燥感を煽ります。そして、聴き手の胸ぐらを掴み唾をかけながら言葉を浴びせているかのような扇動的なヴォ―カリゼーションが凄い。昨年、NYのカルトなテクノ・レーベル、L.I.E.S.から12インチ『LFAD』をリリース。今年は多くのフロアで彼の声を聴きそうです(コロナ早く終われ)。

 

WATER DAWGS

〈関東のリバーサイドタウンにスタジオとなる一軒家を借りて共同生活をしている〉という3人組ラップ・グループ、WATER DAWGS。彼らは昨年12月に、4曲連続リリースを実施。筆者は、その気だるいムードが漂うラップと、メンバーのY ohtrixpointneverがプロデュースを手掛けているサイケデリックなサウンドに魅了されてしまいました。MVでのメンバーのナードな佇まいもチャーミング。〈リバーサイドタウン〉がどこなのかを含め気になる人たちです。

 

NEHANN

当連載でもたびたび紹介している東京拠点のバンド、NEHANN。黒ずくめの洋服を纏う5人が、ダークでサイケなニューウェーヴ・ロックを鳴らしています。バウハウスやシスターズ・オブ・マーシーからホラーズ、ホワイト・ライズといったUKゴスの系譜を感じさせつつも、アンサンブルがダイナミックでアメリカン・ロック的なスケール感も垣間見える。ライブを観ていると、ナショナルを感じたり……。春頃にファースト・アルバムのリリースが予定されているそう。大きくなってほしい!

 

THE SAVAGE

自分はリスナーとしてはインディー・ポップやパンクやダンス・ミュージックを中心に聴きがちなんですが、そうした志向性とは別ラインで最近〈いいじゃん〉と思っているのが、このTHE SAVAGE。主にダンサーとして活躍する男女5人を集めたグループとのことですが、2ステップやUKベース、ラテン・トラップといったエレクトロニック・ミュージックの要素が色濃いサウンドと、アーバンなフロウがかっこいい。ちなみに初めて聴いたときの感想は、Spotifyのプレイリスト〈New Music Friday UK〉に入ってそう、でした。日本のポップ・シーンでは異彩を放つ存在になりそうで期待しています。