
メンバー4人の自己紹介・他己紹介
――個性的なメンバーが4人集まっている印象ですが、それぞれの自己紹介・他己紹介をしていただけますか?
「はい。まず、ドラムスのKaitoは日常生活においてもストイックで、何事もビシッビシッとやる感じ。それが音にも出ていると思います。レコーディングをしていても、ドラムスの波形を見ながらちょっとのズレも許さないみたいな性格で。でもどこか安心できる部分がある人間で、そこが素敵なところですね。
ベースのとものしんは、全部が面白い人です。声も、見た目や髪型も、どこでそのセンスを身に付けたんだという感じ。でもベースはめちゃくちゃうまくて、やっぱり安心感がありますね。デカいからかな(笑)。
ギターの本多秀はとにかく変わっていて、普通の人にはない独特の視点を持っている人間ですね。日常的に話していても、支障が出るくらいヤバいんです。なんでそんな考えに辿り着くんだっていう斜め上の視点の持ち主なんですけど、そういうところも音に出ていて、普通じゃ思い付かないリフを弾いたりするんです。そこが面白いとこですね。
ヴォーカルの私の自己紹介は……何なんだろうな……。何事も丁寧に考えたいんですけど、考えすぎた結果、大胆になってしまうところが割とあります。それが歌詞やメロディーにも出ていると思います」
――考える、というのは悩む、ということですか?
「そうです、ずっと悩んでます。結構ネガティヴで」
――でもその悩み続けてきたことが曲や歌詞になってるんですよね。
「そうですね。それに悩みすぎて〈これ本当にどうしたらいいんだ〉ってなった時は寝て忘れるし、雑なところもあるんだと思います」
――そういう4人が集まったインナージャーニーというのは、どういうバンドなんでしょう?
「みんなそれぞれ育った環境も、価値観も好きな音楽もバラバラで、だからこそ集まった時に不思議な化学反応が起きるバンドだと思います。似た者同士で集まった方が空気感はまとまりやすいと思うんですけど、インナージャーニーはみんながまとまらないからこそ、たまに調和する時にすごいものになるんです。そこが面白いバンドです」
――なるほど。リーダーはいるんですか?
「一応こないだ、とものしんがキャプテン、ということになりました(笑)」
――例えば意見が2対2で割れた時とか、全員違うことを言った時は、最終的に誰がジャッジしますか?
「誰になるんだろう(笑)。きっと、誰かが納得するまでずっと話し合い続ける気がします。だからなかなか作業が進まないんですけど」
――好みもみんなバラバラとのことでしたけど、逆に4人の共通言語みたいなものはありますか?
「共通言語……いや……ないです(笑)。あ、鶴川が好きですね。みんなが通っていた学校がある、町田市の鶴川が好き。それ以外の共通のものは思い付かないですね(笑)」
――本当にバラバラなんですね。もっとみんな〈スピッツが好き〉みたいなものがあるのかと思ってました。
「みんなスピッツもandymoriも好きなんですけど、もっと好きなアーティストもいたりして、本当にバラバラなんです」
――バンドの方針として、こういう曲をやろう、こういう活動をしようとか、あるいはこういうことはしないようにしようみたいなものがあれば教えてください。
「楽しくやれたらいいな、っていうだけですね。やりたいこととか、思い付いたことは全部やるようにしているし、今度ワンマン・ライブもあるんですけど、演奏するだけじゃなく話す時間も取ろうとか言ってますね。みんなはどう考えてるか分からないですけど」
――なるほど。昨年12月にはファーストEP『片手に花束を』がリリースされ、タワーレコード的には〈タワレコメン〉にも選ばれました。人気は着々と高まってきているように感じるのですが、自覚はありますか?
「いやあ……あるのかな……。SNSのフォロワーは増えましたけど、あまり実感はないですね。コロナがあったのでライブもそこまでできてないし。……あ! でも久しぶりにタワレコに行った時に、発売した直後にはたくさんあったEPの在庫が全部無くなっていて、〈売れてる!〉って嬉しかったですね(笑)」
――今度〈VIVA LA ROCK〉にも出演するし、渋谷WWWでワンマンもやるんですよね。まだ結成して2年?
「1年半くらいです」
――すごい勢いだと思います。
「(笑)。名前だけが飛躍してるんじゃないか、あまりにもスピードが速すぎて実力は追いついていないんじゃないかなって、いつも不安になってます。だからバンドは常に焦っているというか。〈バンドを始めた時はみんな10代だったのに、全員20代になっちゃうから早く頑張らなきゃ!※〉って(笑)」
※2021年4月13日で全員が20代に
――そんな急がなくてもいいと思いますけど(笑)。
「今行かないとヤバいぞ、という雰囲気があるんですよね。私個人でやってたらもっとゆっくり着実にやると思うんですけど、バンドだと〈こんなノロノロやってたらヤバい〉って思って焦ってますね」