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意味はあった

――そんななかでUMIさんが脱退されました。ざっくり発表内容をまとめると〈方向性の違い〉ということになりますが。

プー「発表してる以上のことはないんですけど、自分に自信がなくなっちゃったりとかして、UMIちゃん自身が抱えてる問題に耐え切れなくなってしまって、3月末から実家のほうに帰ってて。そのお休みのなかで本人がいろいろ考えた結果、アイドルがやりたくてPIGGSで1年間活動したけど、やっぱり自分が好きなキラキラした可愛いアイドル像とは違っていて、PIGGSをやることでそれが逆に強くなっていったっていうことでした」

――最後にお話はできたんですか。

プー「はい。帰ってからも〈続けたい〉って言う日もあれば、〈やっぱ無理〉って言う日もあって、私たちは待てるだけ待とうっていうスタンスで待ってて。でもこの先を考えるとリミットがどうしてもあるから、それでもギリギリまでUMIちゃんの心が定まらないっていう状況だったんですよ。なので、最後はみんなで話してみようっていうことで、電話ですけど全員で話す機会を設けて話しました」

――話した様子はいかがでした?

CHIYO「自分の口で〈辞めます〉って言った後から、UMIちゃん自身の声のトーンが明るくなって、こっちもそこはホッとしたっていうか。ずっとUMIちゃんにあった引っ掛かりみたいなのがなくなって、パッて明るくなったのが声からわかったのが大きかったです」

プー「文字にした時にどう見えるかはわからないんですけど、UMIちゃんが決めて辞めるって言った後から、ホントに憑き物が落ちたじゃないけど、スッキリした声になって、UMIちゃんの素の声が聞けたのかなと思って、そこでみんな泣くっていう……その後は会話してても普通に冗談とか言って笑うようになったし。〈良い別れ〉ってこっちが一方的に言うのもアレなんですけど、ちゃんと話せて良かったです」

SHELL「私マジで2人でいちばん話してたんですけど、いざその決断を聞いた時には言葉が出なくて。でも後からLINEがきて、そのLINEがいままでの会話よりもいちばん素直にUMIちゃんの言葉が入ってきたというか。だから、ホントはこんなに素直な気持ちが出せたんだなって思って。だから寂しいけどこれで良かったんじゃないかなって思いました。自分で自分は人と上手く付き合えるほうだと思ってたけど、それだけじゃわからないこともあるんだなって」

BAN「声が変わった時に、それまでめちゃめちゃ苦しかったんだろうなって感じて……UMIちゃんは凄い根性があるし、がんばれちゃうから、がんばりすぎちゃったんだなって思いました」

CHIYO「真面目だしね」

プー「真面目だから辞めるっていう選択肢が出てこなくて、〈決めたんだからやらなきゃ〉って悩んじゃってたのかもしれない。お父さんもお母さんもライヴ来てくれてたり、凄く応援してくれてたから」

SHELL「PIGGSになってからパパもママも一致団結して応援してくれてて良かったみたいに言ってたから。だから余計言い出せなかったのかなって」

――それはよくわかります。

プー「でも最後は、誰かのためじゃなくて自分がどうしたいかを本心で決めたと思うので、結論は寂しい方向に行ったけど、その決断を出したUMIちゃんを見届けられたのは大きい。で、UMIちゃんのもともとの悩みも自分の意志を人に言えないっていうところだったから、最後に本音を言えたのなら、PIGGSで1年間やってきた意味があったんだなって思いました。その後もUMIちゃんとのやりとりに〈1年間ムダじゃなかった〉みたいな言葉があったし、見え方はどうであれ5人がそれを理解してればいいかなって」

SHELL「ホントそれだよね。いろいろ言う人もいるとは思うんですけど、うちらが事実を知ってるからいいかって」

プー「話し合わずに結論を迎えたら互いに違う感じだったかもしれないけど、ちゃんと話し合って、最後にそれがあったから、知らない人たちに何を言われても。ムカつきはするけど、いやいやいや、私たちの中に真実はあるからみたいな(笑)」

BAN「良かった、話せて」

CHIYO「うん」

プー「まあ、アイドルを続ける気はあるみたいだし、ゆっくり休んで考えるとは思うんですけど、〈何か決めたら報告するね〉とか〈協力できることはするから何でも言ってね〉とか未来の話もできたし」