10枚目の記念となる4年ぶりの新作。バンド創設時からのメンバーでソングライティングも担っていたジェラルド・ラヴが脱退し、新メンバーにエイロス・チャイルズ(元ゴーキーズ・ザイゴティック・マンキ)が加わってから初めてのアルバムだ。全英10位を記録した前作『Here』がギター・ポップのお手本的作品だったのに対し、今作はスコティッシュらしいひねくれたメロディーや美しいハーモニーをベースとしつつ、よりソフトでラフに仕上げられた印象。少しサイケな部分も感じ取れ、つまり彼らが敬愛するニール・ヤング&クレイジー・ホースのようなUS西海岸のバンドの匂いがプンプンする。もともとあった枯れた味わいも熟成されてさらに美味になっており、キャリアを重ねたからこそ生まれた快作と言っていい。