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インタビュー

ティーンエイジ・ファンクラブ(Teenage Fanclub)が語る不変の誠実さと包容力

「今でも人生で初めてスタジオに入った時と同じ気持ちになるんだ」

ティーンエイジ・ファンクラブ(Teenage Fanclub)が語る不変の誠実さと包容力

スコットランドのグラスゴーで誕生してから30年を経て、ティーンエイジ・ファンクラブに異変が起きた。結成メンバーであり、ノーマン・ブレイク&レイモンド・マッギンリーと共にフロントマン/ソングライターを務めてきたジェラルド・ラヴが脱退。代わりにギター/キーボードのデイヴ・マクゴワンがベースに移行し、元ゴーキーズ・ザイゴティック・マンキのエイロス・チャイルズをキーボード/ヴォーカルに迎えて再出発したのが、2018年末のこと。それから間もなく着手した10枚目のアルバム『Endless Arcade』がリリースされた。

そのリラックスしたヴァイブやいつになくサイケデリックなトーンには新体制のアイデンティティーが刻印されており、ケミストリーが着々と醸成されていることが分かるというもの。また本作には、喪失感と孤独感に苛まれているノーマンの曲と、オプティミスティックな眼差しで、山も谷もあるのが人生なのだと諭すレイモンドの曲を交互に配置。対話形式をとったかのような作品に仕上がっているのも特筆すべき点で、聴きどころに不足はない。

名人芸に磨きをかけるだけでなく、大きな変化を柔軟に受け止めて新しいチャプターを開くに至った経緯を、ノーマンとレイモンドに訊いた。

 

世に送り出す意味があるという確信を得なくちゃいけない

――パンデミックでリリースが延期されていた『Endless Arcade』ですが、レコーディングは2019年末には終えていたそうですね。

ノーマン・ブレイク「うん。いつもは締め切りに追われてギリギリ間に合わせることが多いんだけど、今回は随分前に作業が終わっていた。リリースを遅らせた分ミックスに長い時間をかけることができたから、サウンドについてはすごく満足しているよ。思いがけなく生まれた時間を役立てて、より良い作品にすることができたんじゃないかな」

『Endless Arcade』収録曲“Home”

レイモンド・マッギンリー「ちょうど1年と少し前に、最後の曲をレコーディングしたんだっけ? 今回はそもそも、合間にツアーを挿んでセッションを数回に分けて行なって、通常より余裕を持ってレコーディングをしたんだ。僕らには珍しいことなんだけど、結果的には良かったんじゃないかな。ツアーをすると、家でゴロゴロしている時よりもミュージシャンとして腕が上がるように思うし(笑)」

――少し時間を置いて聴き直した時、曲の印象が変わったりしました?

ノーマン「今聴いてもなかなかいいアルバムだと思う。〈あそこは改善の余地があるな〉と後悔するような箇所はないしね。

それよりもやっぱり、いつもなら今頃ライブでこれらの曲をプレイできていたのに、それが叶わなかったことにフラストレーションを感じていて、とにかくライブでどう聴こえるのか確認したいよ」

レイモンド「うん。今作については満足度が高くて、バンドの演奏もバッチリだし、アルバムとして始まりから終わりまでスムーズに流れる」

ノーマン「僕も色んな意味ですごく満足しているけど、とにかくソングライティングについて満足度が高いね。これまで扱ってこなかった題材を取り上げたからかもしれないし、自分の気持ちをこんな風に表現できたことに達成感があって、言いたかったことを言えた気がする。

それにアルバムの良し悪しって、作った時の状況も判断材料になるけど、今回は作りながらすごくいい手応えがあった。重要な作品を作っていると実感できたんだよ」

レイモンド「そうだね。僕らは惰性でアルバムを作っているわけじゃないんだ。聴く価値のある作品、〈いい仕事をしたな〉と感じられる作品でなければ、リリースしないで消えてしまったほうがいい。ファンが何でも受け入れてくれると思い込んでいてはいけないし、バンドの名前を掲げて世に送り出す意味があるという確信を得なくちゃいけない。そういう意味ではすごくハッピーだよ」

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