Page 2 / 2 1ページ目から読む

立ち止まることを否定するのではなく肯定したい

――そして今回の新曲“So good”に至ります。さっき話したようにキムさんからの申し出があり、そこからはトントン拍子で進んでいったのでしょうか。

「ラップにも色んな表現方法があるじゃないですか。キムさんとオンラインミーティングをして、こういう感じのをやりたいですと伝えて、じゃあこういうのはどうか、ああいうのはどうかってディスカッションして、大体のイメージを共有してからキムさんが発注して、という流れでした」

――Meguさんのやりたい方向性があって、それに合わせて作家も選んでいった。

「そうです。ゴリゴリのラップを作ってる方じゃなくて、Negiccoを聴いてる人にも馴染めるような。作詞の大久保(潤也)さんはアナというバンドをやっていて、ヒップホップの作家さんとはまた違うので、スッと入っていけるようなものをお願いしたい、という感じでした。私としては例えばchelmicoさんの曲だったり、スチャダラさんとネバヤンさんがやってるゆるめの曲(“ネバやんとスチャやん”)だったり、ああいうやつに挑戦したいです、と話しました」

――リラックスしたメロウな曲に仕上がりましたよね。歌詞の内容についてですが、自分でこういうことが歌いたいというのあったのでしょうか?

「歌詞の方向はキムさんにお任せしました。キムさんの伝えたいこと、感じていることなんだけど、みんなにも伝わるようなテーマがあって、それに沿って大久保さんに書いていただいて、サウンドに落とし込んで。歌詞には〈過去〉とか〈立ち止まる〉とか〈振り返る〉という内容が出てくるんですけど、最初にもらったときは〈ネガティブすぎませんか?〉って感じたんです。前向きなメッセージを届けたいと思ったから、どうしてこうなのか訊きました。そうしたら、キムさんの中では、これはネガティブなことじゃなくて、誰にでも過去はあるし、立ち止まることは必要だからっていう思いを話してくれて。私で言ったら過去3年間くらい立ち止まったりしたけど、そういう時期にこそ大切なことが詰まってるよ、大事なことが隠されているよというのを歌に乗せていて。立ち止まることを否定するのではなく、むしろ肯定したいという曲なんですよね」

――ここまで話してきたようなことに重なるところが大いにありますよね。ラップにフォーカスしてみての感想はどうでしょう。

「Negiccoの曲の中でも短いフレーズでラップはあったりしたんですけど、本格的に丸々1曲というのは初めてでした。音にはめることに苦戦して、レコーディングも過去最高の4時間かかりました(笑)。どう歌うかというディスカッションしながらの4時間ではあるんですけど」

――この1曲は4時間の賜物なんですね。仕上がりはバッチリなんじゃないでしょうか。

「ありがとうございます。キムさんが私の過去のソロ曲を全部聴いてくれて、それとも合うように仕上げてくれました。Meguちゃんの声がいいから、声のよさを活かすための曲作りをしたと言ってくれて。あまり声を張らず、こうやって話してる雰囲気のような歌とラップという。すごく楽しくできましたね。自分はまだまだだとは思うんですけど、こんなこともできるんだって自信にもなりましたし」

 

今後に向けた意欲

――そうなってくるとさらなる意欲も湧いてくるのではないでしょうか。

「欲は出てきますよね」

――ミニアルバムとかアルバムとか、まとまった曲を作っていくことについてはどうでしょう?

「前向きです。Nao☆ちゃんもかえぽも出してるので」

――それはファンの方にとっても朗報じゃないでしょうか。やりたいことはあるんですか?

「えーと……猫の仕事?」

――挑戦してみたい曲について訊いたつもりだったんですけど(笑)。以前、テンテンコさんがネコソング集を出したりしてましたね。

「えー! それは知らなかったです。後で聴いてみよう。ソロでやってみたいことは頭の中にありますよ。お願いしたい人もいます。でも今ここで名前を出しちゃうと、断られた時にショックなので(笑)」

――たしかに(笑)。今回のアートワークは一発でキムさんたちのチームの仕事だとわかりますよね。

「キムさんとNegiccoとのタッグは『愛のタワー・オブ・ラヴ』という作品が最初で、それが8年前だったんですけど、そのときの撮影が新潟市の万代あたりだったんですね。Negiccoは新潟で撮影させてもらうことが多いので、結構撮り尽くした場所はあえて選んでなかったんですけど、『愛のタワー・オブ・ラヴ』との繋がりもあるのでビジュアルまわりは万代で撮ったりしました」

――そういうバックグラウンドが見えて面白いというのも活動を長く続けてきたからこそですよね。

「たしかに。さっと8年って言ったけど、8年ぶりって結構すごいことですよね(笑)」

――ちなみにですが、今の活動ペースについてはどう考えていますか?

「これは言っていいのかわからないですけど、コロナで自粛になったとき、正直〈1~2か月休める〉と思っちゃったところもあって」

――それは多くの人がそう感じたと思います。それにNegiccoはずっと動いてきたわけですし。

「まとまったお休みがなかったので、土日なんてどうしていいかわからないくらいだったんです。お父さんとお母さんとゆっくりする時間ができたりして。でも、それもずっと続くと焦り始めてきて、仕事がないことが不安で。仕事がまったくないというわけではなかったんですけど、焦ってましたね。今はその気持ちがちょっと落ち着いてはいるんですけど、でもやっぱり今年1年を振り返っても、もっと活動したかったなと思っているんです。感染予防のために家にいることは第一なんですけど、やっぱり動いてないとなっていうことも考えちゃいますね」

――もちろん状況次第ではあるけれど、活動のギアは上げたいなとは思っている。

「それはもう、すごく思ってます。RYUTistさんの8月のライブを観に行ったんですけど、それを観てさらに思いが強まりました」

――最後に今後の話になりますが、がっつりと歌うソロライブを開催しようと思うことはありますか。

「今年の6月のバースデーイベントでひとりでちょっと歌うことになったんですけど、不安ということもあって、コーラスでかえぽに来てもらって、贅沢な特別バージョンをやったんです。ひとりでマイク持って歌うのってこんなに緊張するんだと思いました。3人でやってる時はメンバーがいるので心強いんですけど、いざひとりとなると固まっちゃって、一度止めてやり直しました(笑)。というくらいなので、ソロでライブは……どうなんですかね? でも、曲も増えてきましたしね。そこは私がやりたいかやりたくないかで決まると思うんですけど、今はちょっとずつ、1個ずつ課題をクリアしていってる状態なので。一気にどーんといくのは私の中ではまだなのかなと思ったりもするんですけど、来年はこうしたい、ああしたいという話は出てますね」

 


EVENT INFORMATION

Megu『So good』発売記念インターネットサイン会
開催日時:
(1)2021年11月10日(水)19:00スタート 21:00頃終了予定
(2)2021年11月21日(日)18:00スタート 20:00頃終了予定
対象商品:Megu『So good』

対象商品をEHクリエイターズ(下記受付方法)にてご購入の方に、対象商品のジャケット表面にMeguからサイン、日付(サイン会開催日)、お名前を入れてお送りさせていただきます。
当日は、サイン会をNegicco EHクリエイターズ公式YouTubeアカウントにて生配信させていただきます。
・2021年11月10日(水)19:00スタート 21:00頃終了予定
URL:https://youtu.be/VmeE4jry1Tc
※アーカイブは2021年11月20日(土)20:00までとなります。
・2021年11月21日(日)18:00スタート 20:00頃終了予定
URL:https://youtu.be/fA2gVTpD2ok
※アーカイブは2021年11月28日(日)19:00までとなります。
詳細はhttps://negicco.net/news/?id=1933

Meguと○△□ #11(無観客生配信イベント)
日時:2021年11月15日(月)19:00スタート(約1時間)
YouTube URL:https://youtu.be/cQTaDVH6Wbg
ゲスト:キムヤスヒロ(lyrical schoolプロデューサー)
※アーカイブは2021年11月30日(火)21:00までとなります