
新しい自分が出せて
――確かに“柏木由紀なりのPARADISES -夏のバカヤロー-”はとりわけ自然な感じに思えました。
月ノ「嬉しいです。WACKの良さとアイドルらしさがいい感じに詰まった楽曲だし、歌詞もWACKでは珍しい恋愛系で。でも、渡辺さんに伺ったら、ストーカーの歌詞らしくて」
ミユキ「ストーカーなの?」
月ノ「サビで〈好きだよ~〉ってコーラスが入るんですけど、〈これ、意味合い違ってくるな〉とか、爽やかだけど意外と裏がある歌詞なんです(笑)」
ユキ「そうだったんだ! 知らなかった! 確かに〈どんどん距離離れてく 僕は必死詰めて行く〉って、怖っ(笑)」
――MVもストーカー目線だと思うと嫌ですね。
月ノ「パンチラがテーマのMVなので、ちょっと通ずるところがあるかもしれない(笑)」
――ともかく、振りも含めていちばん可愛い雰囲気です。
月ノ「振付けもメンバーでやらせていただいたんですけど、今回は柏木さんも一緒にやるってことで、サビの手数を増やしたりとか、いい感じにお互いの良いところを全部出せるような見え方にできたらいいなと思って、制作させていただきました」
――順番に伺っていきます。“柏木由紀なりのBiS -ANYTiME ANYTHiNG-”はパンクな雰囲気になっていますね。
ネオ「はい、曲自体はもう〈ザ・BiS〉みたいな感じで、止まらないで走り続ける感じが表現されてるんですけど、ガツガツ系で背中を押すんじゃなくて、〈君なら大丈夫だよ〉みたいな優しい言葉で背中を押してくれるような、凄くいい曲です。だから、この曲を柏木さんと一緒に歌えるのがホントに嬉しくて。振付けとかもそのまんまのBiSで、いつもと変わらないBiSを届けるなかに柏木さんがいる感じで、一緒のグループでやっているのを考えて作りました」
――松隈さんは〈BiSの曲がいちばん合ってる〉って仰ってましたね。
ユキ「はい、皆さんの声を後から聴いたら、確かに合ってる気がしました。BiSの皆さんは歌がホントに上手なので、最初に私だけレコーディングした時は〈大丈夫かな?〉って緊張があったんですけど、出来上がりは自分でもわりといい感じというか(笑)、AKB48では出してない自分の歌声で。BiSの楽曲に引っ張られて新しい自分が出せて、ちょうどフィットしたのかなって思います」
――振付けも元気でいいなと思いました。
ネオ「はい、ゆきりんさんの自己紹介する時のポーズを繰り返し入れたりして」
ユキ「え?」
――〈寝ても覚めても~〉の動きを。
ユキ「ホントだ! いま気付いた!」
ネオ「モンちゃん(チャントモンキー)が考えてくれました」
ユキ「嬉しい。いま知りました(笑)」

――振付けもそれぞれのグループでやられているんですね。“柏木由紀なりの豆柴の大群 -ずっと気になるズッキーニ-”は?
ミユキ「豆柴はナオ・オブ・ナオとハナエモンスターが振付けを考えてくれていて、AKB48さんに寄せたアイドルらしさとか、ツーステップを入れたりしています。あと、私たちは振付けで〈ダサカワイイ〉をめざしているので、それも表れているかなって(笑)。作詞はアドバイザーのクロちゃんなので、独特でキャッチーな歌詞になっていて、柏木さんに向けて書いたそうなので、そこも注目してほしいなって思います」
――そういえば豆柴は48グループの方々との対バンツアー〈豆柴48〉もありますね。
ミユキ「あっ、そうです。東名阪で12月に。めっちゃ楽しみです」
ユキ「出たかった~」
ミユキ「ですよね、一緒にやらせていただけたら嬉しかったです!」
ユキ「まあ、気付いたら若手メンバーに決まってましたね(笑)」
――それは仕方ない(笑)。では、“柏木由紀なりのASP -AGAiNST THE WORLD-”はどうですか。
ユメカ「はい、基本的にASPは〈多数派の意見よりも自分の意志を持って進んでいこう〉みたいな曲が多くて。今回も〈自分の意志で未来を決めようぜ〉みたいな強気の歌詞になっています! たぶん柏木さんは〈甘いキャンディぶっ飛ぶほどメルシー〉みたいなことは歌わないだろうなと思って(笑)。でも、レコーディングで松隈さんから〈柏木さんは指示されるよりも先にこの歌い方ができてたんだよ〉とお伺いして、〈私もがんばらないと!〉って思いました!」
ユキ「いえいえ(笑)」

ユメカ「新しいことでも柏木さんは凄く素晴らしく歌っていらっしゃるので、素敵な曲になりました。振付けはメンバー全員で考えたんですけど、〈もし僕が神になったらもっとマシさ〉とかナルシストみたいな言葉が出てくるので、ちょっとナルシストっぽく銃を自分の頭に突きつけるポーズをしています。ASPはとにかく初めて観た人でも真似できる超わかりやすい振付けを心掛けているので、今回もそのスタンスは変えず、簡単でみんながすぐ楽しめるような振付けにしました」
――MVは品川ヒロシさんが監督ですね。
ユキ「はい。監督していただきました。バイクに乗ったり」
ユメカ「雨が降ったり、花火があったりとか。日本刀や2丁拳銃を持った柏木さんもあるし、もう観どころ満載で凄いことになりました!」
――はい。そして“柏木由紀なりのGO TO THE BEDS -TRUE SONG-”です。
ココ「はい。これは全編ディストーションが掛かっていて、ダークなGTTBらしい雰囲気が前面に出た曲になっております。たぶん他のグループとは違って、〈お前らそれでいいのか?〉ってケツを叩かれるような自分たちに向けた辛辣な歌詞が多いので、ゆきりんさんに歌っていただくのは凄く気が引けるところもあるんですけど(笑)」
――まあ、〈老〉とか〈若〉とかに巻き込むのも失礼な話で(笑)。
ココ「そうなんですよ(笑)。GTTBの最初の衣装に〈老〉って書いてあって」
月ノ「PARADISESは〈若〉って書いてあるんです(笑)」
ユキ「え~、凄い!」
ココ「そういうイジられ方をして」
月ノ「イジられ方(笑)」
ココ「でも、ゆきりんさんは長くアイドルやってきて、私たち以上に大変なことが絶対あったと思うし、このタイミングで新しいことに挑戦するハングリー精神はGTTBの曲に逆に合っているのかな、みたいに思う部分もあったりして。ゆきりんさんがこういう泥臭い曲を歌うことってなかなかないと思うので、ゆきりんさんの込み上げる気持ちが私たち6人と一緒に合わさって伝わったらいいなって思います」
――凄く馴染んでる印象でした。
ココ「めっちゃいいですよね」
ユキ「ホントですか。でも出来上がりを観たら、もうちょっとやれたなと思いました(笑)。みんな自分を出すことに慣れてるから、ちょっとまだまだ。そこだけは後悔ポイントですね。みんな凄かったです」