台湾発のインディー音楽の祭典〈第12回金音創作獎〉をレポート!

電気グルーヴやLiSAがプレゼンターで参加、坂本龍一のサプライズメッセージも

電気グルーヴ、LiSAがプレゼンターとして参加、坂本龍一からサプライズメッセージも!

また今回は、電気グルーヴが〈ベスト電子音楽アルバム賞〉と〈ベスト電子音楽ソング賞〉のプレゼンターとしてオンラインで参加。これまでに何度かDJで台湾を訪れているという石野卓球は、その印象について「ダンス（クラブ）ミュージックシーンがすごいしっかり根付いているところ」と語った。〈ベスト電子音楽ソング賞〉は台北出身のプロデューサーŃ7äによる、原住民シンガーの阿爆（ABAO）をフィーチャリングした楽曲“zaljum 水 feat. 阿爆 & R.fu”が受賞。〈ベスト電子音楽アルバム賞〉は台北出身の6ピースバンドOVDSの『黑的韌性』が受賞した。

Ń7äの2020年のシングル“zaljum 水 feat. 阿爆 & R.fu”

LiSAも〈ベストロックソング賞〉と〈ベストロックアルバム賞〉のプレゼンターとして、同じくオンラインで参加し、「ロックと言えば、どこの世界にいても、そのサウンドを聴くと踊りたくなる、動きたくなる、歌いたくなる、叫びたくなる。みんなで楽しめるのがすごく魅力的だと思います」と語った。〈ベストロックソング賞〉はGreen!Eyesがプロデュースする4ピースロックバンド、石青羅林（Shikin Rollin）の楽曲“欲（Desire）”が受賞した。70年代のサイケデリックロックにインスパイアされたヴィンテージサウンドが魅力だ。〈ベストロックアルバム賞〉を受賞したのは3ピース・オルタナティブロックバンド、拍謝少年（Sorry Youth）の『歹勢好勢』。日本では〈SUMMER SONIC 2015〉〈森、道、市場 2019〉〈shima fes SETOUCHI 2019〉といったフェスに出演しており、台湾での人気も絶大なバンドだ。

拍謝少年の2021年作『歹勢好勢』収録曲“歹勢好勢”

そして、式典の最後に、坂本龍一から以下のサプライズメッセージが届き、会場で読み上げられた。

〈第12回Golden Indie Music Awards〉の開催おめでとうございます。今回、このような素晴らしい音楽賞で皆さまと交流する機会を与えていただき心から感謝申し上げます。本来なら台湾にうかがい、皆さまと共に授賞式を楽しみたいところですが、パンデミック、そして私自身の病気のためにそれが叶わないことをとても残念に思っています。メッセージをと依頼されましたが、わたしがお伝えしたいことはこれだけです。

他人のやらないことをやれ。
過去を繰り返すな。

Do what other people don’t.
Don’t repeat what it’s already done.

貪欲に自分の音楽を追求してください。新たなエネルギーにあふれる音楽が台湾から多く生まれることを願っています。

坂本龍一

アジアのアーティストたちの交流を促す〈亞洲音樂大賞〉にも注目!

GIMAには授賞式以外にも、興味深いコンテンツが目白押しだ。例えば、台湾の音楽業界の人々が参加する〈Golden Indie Musicフォーラム〉や、ノミネートアーティストによるショーケースなど、さまざまなイベントが一週間にわたって開催されている。

中でもアジアのクリエイティブなアーティストたちの交流を促すことを目的とする音楽フェス〈亞洲音樂大賞 Asia Rolling Music Festival〉は注目度も高く、2020年には日本から折坂悠太もライブ配信で参加している。今年は〈Watch Party〉と題し、台北・台南・高雄・台東の4か所でアジア各国のアーティストたちによるパフォーマンスビデオの上映と、台湾のアーティストのライブパフォーマンスが行われた。日本からは5人組ロックバンドのCody・Lee(李)が参加した他、韓国のオルタナティブロックデュオWedanceや、タイのレゲエバンドSrirajah Rockersなど、アジア中から刺激的なアーティストたちのパフォーマンスが上映された。

現在はGIMAのYouTubeチャンネルにてアーカイブの視聴も可能なので、是非チェックしてみてほしい。