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インタビュー

cali≠gari『15』多様なオマージュを忍ばせつつ独創性を鳴り響かせた3年ぶりのオリジナル・アルバム!

2月の予告版に続く3年ぶりのオリジナル・アルバムが完成! さまざまなオマージュを忍ばせつつ、よりパワフルに、ヴィヴィッドに鳴り響くオリジナリティーを聴け!

エネルギッシュなものを

 7年ぶり3回目のビクター復帰から2年と少し。cali≠gariのニュー・アルバム『15』がついに完成した。今年2月の予告版EPをリアレンジした4曲と、新曲9曲で構成される全13曲。〈エネルギッシュで、パワーのあるもの〉をテーマに制作された本作は、冒頭曲“一つのメルヘン”のクレジットにまず驚いた。メンバー同士の共作は恒例だが、桜井青(ギター)と石井秀仁(ヴォーカル)のタッグは今回が初である。

cali≠gari 『15』 ビクター(2021)

 「まだアルバムの全容が見えてない頃、〈リードになるような曲がないね〉って話になったんですね。そのとき、石井さんに〈青さんが前に聴かせてくれた曲、あれどこにいったの?〉って言われて、〈アルバムのテーマと違うから、お蔵入りしようと……〉って返したら、〈じゃあそれ、俺に貸してよ〉って。そしたら、次の週には歌詞もメロもベースも入ってきて」(桜井)。

 「いろいろイメージできる部分もあったし、これをリード曲にしたらおもしろいんじゃないかと思って。繰り返しの部分をちょっとカットしたぐらいで、あとはそのままのオケに歌と歌詞を乗せてった感じです。青さんが〈ここだけは残してくれ〉って言ってたところも、なくそうってことではなかったんですけど、一回は自分の完成版で出して、元のほうがいいって言われたら差し替えようと思ってて」(石井)。

 「そしたら、そっちのほうが良かったんですよ。敗北宣言です(笑)」(桜井)。

 “一つのメルヘン”は哀愁のスパニッシュ・ギターから始まる疾走チューン……なのだが、雄弁に蠢くベース・ソロにケルティックなシンセが重なったりと、これまでにないアプローチでこのバンドの持つ〈切なさ〉を響かせている。

 「音色とかはケルトなのに、そこから突然のスパニッシュ(笑)。それはたまたまなんだけれど、もともとの仮タイトルが〈野生〉で、『母を訪ねて三千里』みたいなジプシーっぽいイメージで作ってたからいいかなって」(桜井)。

 中原中也の詩と同名の“一つのメルヘン”。その詞世界は、〈生きるということ〉を石井流に綴っているように思えるが……。

 「根底にはそういうのがあるんでしょうけど、いろんなものにあてはめられるようにしてるんですよね。コロナのことを歌ってるのかなって思えばそういうふうにも捉えられるだろうし、cali≠gariのお客さんにしてみたら、〈メルヘン〉っていう単語は普通の人とは捉え方が違うわけですよ。cali≠gariは昔、〈奇形メルヘン音楽隊〉って名乗ってましたからね。そう捉えていくと、サビのあたりの歌詞っていうのは、そういうことを歌ってるのかなって捉えることもできるかなと。〈僕も私も〉的にね」(石井)。

 続いては、石井による“ハイ!”と“嗚呼劇的”。前者はライヴでのシンガロングが目に浮かぶグルーヴィーなロック、後者は明度の高いシンセとディレイがかったギターがセンチメンタリズムを加速させる、美しくエモーショナルなナンバーだ。

 「“ハイ!”は、その場の全員で歌えるようなものってことですかね。実際、サビの部分とかは全員で歌ってるんですよ。青さんも研次郎君も、中西君(サポート・ドラマーの中西祐二)とかスタッフの人も。難しい感じじゃなくて、アイドルみたいに主旋律をみんなで歌うみたいな、そういうのをcali≠gariでやるのもバカバカしくていいかなって」(石井)。

 「“嗚呼劇的”は、〈エッジになれ〉って言われたんです。U2の」(桜井)。

 「そういうディレイだけで持ってくだけのようなギターって、以前はよくありましたけど、いまはそこまでの人ってそんなにいないから、なんかおもしろいなと」(石井)。

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