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コラム

ブリアル(Burial)が15年ぶりに放つ長編作『Antidawn』――暗闇に佇む儚くも挑戦的な音世界

BURIAL
その男ブリアルにつき……闇夜の楽園に佇む儚い音世界が久々の長編EPに実を結んだ!

 思い起こせば00年代に2枚のアルバムを残したきりのブリアルがここまで神秘性と有難味をキープする存在になるとは思ってもいなかったわけだが、サード・アルバムへの期待のようなものが霧散してしまってなお彼が注目を集めてきたのは、2012年の『Street Halo/Kindred』と『Truant』、翌年の『Rival Dealer』という長尺のEP群を通じて常に聴き手を圧倒してきたからだろう。その後の12インチも含む編集盤『Tunes 2011-2019』で10年代が総括されてしまおうと、次の10年にはまた何かが起こるはず……そんな思いで待ち詫びていた人なら、このたび届いたEP『Antidawn』に惹き付けられずにはいられないはずだ。まとまった楽曲集としても久々だが、5曲で40分を超える構成を思えばセカンド・アルバム『Untrue』(2007年)以来の長編作品ということにもなる。

 EPの幕開けを飾るのは咳払いと風の音で始まる11分の“Strange Neighbourhood”。ノイズや切れぎれのフレーズが儚くも不穏な音の連なりを延々と紡ぎ上げるなか、いつまで経ってもリズムが入ってくることはない。同様の作りは〈反・夜明け〉を意味する表題曲でも続き、ホーリーなオルガンや歌声も千切りながら10分超の“Shadow Paradise”へ。思わせぶりな歌の響く“New Love”を経てのどこか神々しいラスト“Upstairs Flat”に至るまで、奇妙に惹かれる曖昧な音の断片を浴びることになる。いままでにない問題作とも言えるし、かつてなくエクスペリメンタルな試みなのは確かだが、いずれにせよ受け手はブリアルという名の暗闇の奥底をただ彷徨い続け、そこに浸ることを余儀なくされるだろう。お試しあれ。

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