BAD RECYCLER
2012年以降のカヴァー/サンプル(後編)

けもの 『LE KEMONO INTOXIQUE』 AIRPLANE(2013)

ジャズ・ヴォーカリストの青羊によるソロ・ユニットの初作。プロデューサーは菊地成孔で、“Beat It”のクラッシーなカヴァーでは彼の歌唱も聴くことができる。 

 

RIHANNA 『Unapologetic』 SRP/Def Jam(2012)

マイケル曲のモダンな再生には一日の長があるリアーナ。同じくマイケル崇拝者のクリス・ブラウンと披露した“Nobody’s Business”は、“The Way You Make Me Feel”の一節を引用しながらライトなディスコ・タッチに仕上げるという二重の意味でマイケルっぽい仕上がり。 

 

TOBY LOVE 『Amor Total』 Sony Latin(2013)

ラテン・ポップ方面でも人気のマイケル。バチャータの貴公子は“I Just Can't Stop Loving You”のスペイン語版“Todo Mi Amor Eres Tu”(作詞はルーベン・ブラデス)を情熱的に歌い上げている。

 

THE WEEKND 『Trilogy』 XO/Republic(2012)

カナダの週末ヒーローが前年のフリー・アルバムをまとめた3部作。そのうちの『Echoes Of Silence』では“D.D.”として“Dirty Diana”をカヴァーしている。歌の重さを自身の内省に引き込んだ感じか。 

 

MACK WILDS 『New York: A Love Story』 ReMiFa(2013)

89年生まれの俳優兼シンガーが、“Remember The Time”をスムースに披露。本人の聴いてきた90年代ヒップホップへのオマージュを中心にした作品だけに違和感はない。なお、プロデューサーのサラーム・レミはジャクソン5のリミックス企画で素晴らしい仕事を残したことも。

 

CONNIE TALBOT 『Beautiful World』 Evolution(2012)

お子ちゃま時代には“Ben”を取り上げていたこともある〈世界の妹〉。この最新作ではアルバムの表題よろしく“Heal The World”を抜群の歌唱力で披露している。アップを歌ってもいいのよ! 

 

BURIAL 『Street Halo / Kindred』 Hyperdub(2012)

単純に声ネタとしての機能なのだろうが……このEP収録の幽玄な“Loner”では“Stranger In Moscow”を明快にサンプル。かつての“Nite Train”もあったし、実は単にファンだったりして。 

 

KASHIEF LINDO 『A Reggae Tribute To Michael Jackson』 Heavy Beat/VP(2012)

レゲエ歌手によるマイケル・カヴァーは昔から目立っていたが、近年のものではこれが出色。ジャクソン5からジャクソンズ、そして“Butterflies”まで幅広い年代の曲を歌っているのが嬉しい。何より美声!

 

BWB 『Human Nature』 Telrac(2013)

最後は優雅にスムース・ジャズを……ノーマン・ブラウンとカーク・ウェイラム、リック・ブラウンという重鎮トリオのマイケル曲集。マイルスも演った表題曲は定番として、カヴァー自体が珍しい“Another Part Of Me”などのリズミックな展開が楽しい。