15枚目のアルバムは昨夏から6連続で出したシングルのAB面をコンパイルするという試みで、気負いなく楽曲のみに没入させる姿勢は約1年前の前作『MUD SHAKES』以上だ。メリーゴーランド感のある騒々しいロックンロール“ドライブGO!”で威勢良くスタートし、メロディアスなパワー・ポップ“光の魔人”、T・レックス“Laser Love”調の意匠がシャープな“ここにある”、セックス・ピストルズ風の“ナイフの時代”などキャッチーでプリミティヴな彼らの王道ナンバーが揃っている。ユーモラスな“もぐらとボンゴ”、寂しげな叙情レゲエ“冬のくわがた”といったアクセントも効果的。“夜空の星くず”を想起させるコーラスもあしらったロネッツ作法の“縄文BABY”で幕を下ろす構成も問答無用でグッとくる(今回も)快作。