勢いと情熱に溢れた怒涛の6連続シングルを経て、またも最高のアルバムが完成!
時代を蹴っ飛ばす最高にかっこいいロックンロールはいつだってここにある!

いつもの通りにかっこいい

 2006年の〈出現〉からほぼ毎年アルバムを作り続け、50本ほどのライヴ・ツアーを欠かさず続けてきたザ・クロマニヨンズ。アルバム『PUNCH』(2019年)リリースに伴う〈ザ・クロマニヨンズ ツアー PUNCH 2019-2020〉は、12公演を残して無念の中止となったが、そこで彼らはツアーの音源を期間限定で配信リリース。さらにライヴ・アルバムとして発表したのは、会場に来られなかったファンへの最大級の愛情表現だったと思う。

 続くアルバム『MUD SHAKES』(2020年)は、コロナ禍の影響を感じさせない愉快、痛快なロックンロール・アルバムになった。明快なロックンロールを切り札にしつつ、60sポップス風、ドゥワップ・コーラス、気怠いブルースなど、いつも以上にノスタルジックな要素多めのサウンドと、“暴動チャイル(BO CHILE)”“カーセイダーZ”など言葉遊びとパロディー要素強めの楽曲たち。彼らのアルバムをレヴューするたびに毎度書くことだが、〈いつもの通りにかっこいい〉と言っておけば大体間違いはない。のだが、やはりアルバムごとに微妙な変化はあり、ファンはそこを愛でてきた。殺伐とした世情だからこそ、『MUD SHAKES』に含まれるほのかな和みや優しさはぐっと胸に沁みた。

 その後、バンド初の配信ライヴ〈ザ・クロマニヨンズ MUD SHAKES 全曲配信ライブ〉を経て、2021年2月には東京ガーデンシアターで〈ザ・クロマニヨンズ MUD SHAKES 2021〉ライヴ&生配信を敢行。その模様は後日〈爆音上映会〉として全国25か所のライヴハウスで上映され、ライヴDVDとしても発表された。そしてついにアナウンスされた、待望の新曲リリース。それが2021年8月からスタートした6か月連続シングル〈SIX KICKS ROCK&ROLL〉プロジェクトで、第1弾の“ドライブ GO!”から第6弾の“ごくつぶし”までをそれぞれCDと7インチ・アナログ盤でリリース。その締め括りとなるのが、このたびリリースされた通算15枚目のアルバム『SIX KICKS ROCK&ROLL』だ。さあ、やっと時間が現在に追いついた。