何者でもなくても叫ぶことが日々を変える――2022年も立ち止まらずに生きる5人から、誰かのハートを揺らすための強力なニュー・シングルが届いたよ!!!!!
快作『JUICYY』を間に挿み、前年から行ってきた 〈DEAR HUNTER TOUR〉を1月8日のEX THEATER ROPPONGIにて最高の形で締め括ったPIGGS。2月からは早速〈SOUL MEAT 2929 TOUR〉で全国各地を巡っている多忙な5人に、かつてなく溢れ出る感情を刻んだニュー・シングル“小さな叫び”について話を訊きました!
それぞれの成長
――新年は素晴らしいEX THEATER公演で始まりました。
プー・ルイ「KINCHANが入ってからみんなでがんばろうっていう空気がずっと続いてきたツアーの集大成で、いちばん良い空気で迎えたファイナルでしたね。いつもツアーは内部で揉めてたり、誰かが落ちてたり、そういうのがあったんですけど、今回は5人でEX THEATERを最高にすることだけを考えられる精神状態で、いい緊張感を持った清々しい朝を迎えました(笑)」
――実際に立ってみたステージはどうでしたか?
BAN-BAN「リハーサルの時は〈こんなに大きいんだ〉って緊張して、力が入っちゃったんですけど、本番のステージに上がってみたら、満員のみんなの顔が凄い見えて。プーちゃんも言ったように、いままでは何かを乗り越えながらツアーしてることが多かったんですけど、今回はより外側に目が向けられたツアーだったから、ファイナルもぶーちゃんズ(PIGGSファンの総称)の顔がよく見えた感じがして。こういう気持ちをこれからもみんなといっぱい共有したいなって思いました」
――当日の模様は何曲かYouTubeでも公開されていますが、なかでもアコースティックの“飛べない蛇”はハイライトになりましたね。
KINCHAN「はい。〈アコースティックでやるよ〉って言われた瞬間は、けっこう絶望を感じて(笑)」
――曲が始まったときはこちらもちょっと緊張しました(笑)。
プー「まあ、KINCHANはちょっと音痴で有名なとこありますから(笑)。でも、絶対に外してはいけない場面でシュートをスコーンッと決めてくれたのは良かったですね」
KIN「プーちゃんに練習を付き合ってもらったりとかして、本番は自分でもビックリするくらい緊張しなかったです。歌いながら〈絶対うまくいくだろうな〉って思うぐらい自信がありました(笑)」
プー「凄かったもんね。みんなの感想も〈KINCHANが凄かった〉ばっかりで」
CHIYO-P「こっちはサビを歌ってるのに(笑)。でも、聴いてて響きました。KINCHANの歌って上手/下手じゃなくて響く歌だと思うし、それをいちばん感じました」
――そんな年明けを経て、2月から〈SOUL MEAT 2929 TOUR〉が始まっています。
プー「前のツアーは新しい5人でしっかり主要都市を回る感じだったので、今回はとにかくたくさんの場所に行けるだけ行って、各地のぶーちゃんズと仲良くなろうっていうテーマで組んだツアーです。29=肉はPIGGSを思い出してほしい数字なので、29公演、2929円で組みました。特典会はできなくなったんですけど、小箱で組んでたのもあって、いつもよりはお客さんとの距離も近くやれてる感じがします」
――現時点で印象深かった場所は?
CHIYO「私は中野heavysick ZEROですね。いままではコロナだからちょっと大きめの会場が多かったんですけど、たぶんいままででいちばんお客さんと距離が近いぐらいのライヴができて、みんなの表情もよく見えるし、心と心で繋がれるっていうか、一緒にライヴを作ってる感覚を凄い感じた日でした」
BAN「私はツアー初日の7th FLOORが印象的でした。そこはPIGGSが初ライヴする予定だった場所なんですけど、“PIGGS -モナ・リザ-”のMVも撮ったので、自分にとっては初めてステージでマイクを持って踊った場所だったから。それを覚えていたので、〈モナ・リザ〉をいっぱいのお客さんが一緒に踊ってるのを見て感慨深い気持ちになったし、嬉しかったです」
SHELLME「〈はじめまして〉のツアーでも行った千葉LOOKと横浜のB.B.streetでは、その時の感じを思い出したのと同時に、活動に対する自分の気持ちが当時とは全然違うと思って、ぶーちゃんズのおかげで良い方向に変わってきたんだなって改めて感じました。自分も少しは成長できてるなって思えたし、同じ場所にこのメンバーで行けたのも良かったです」
KIN「私は山口のLIVE rise SHUNANです。8月に上京してから初めて地元の山口に帰ったんですけど、PIGGSとして胸を張って帰ることができて純粋に嬉しかったです。自分の地元にみんなで行けて、そこにぶーちゃんズがいてくれる状況が幸せだったし。PIGGSになって良かったなって改めて思った日でした」
――ちなみに、今回のツアーを通じての目標とか向上したいことって各々あるんでしょうか。
プー「う~ん、私はMCなんですよ(笑)。いままでの活動だと〈ちゃんと喋れないなら曲をやる〉みたいなスタンスでやることが多かったんですけど。個人的にいろんなライヴを観る時は、メンバーが仲良さそうにグダグダ喋ってるのを観るのがけっこう好みで。で、PIGGSの良さは曲もそうだと思うんですけど、Instagramのストーリーズに上げてるような5人の関係性とかリラックスして喋ってる感じが、同じぐらいPIGGSを好きな理由にあるのかなって思って、今回のツアーはあえてユルめのMCを長めに入れたりしてます。凄いすべって失敗する日もありますけど(笑)、最近やっと、リビングで深夜にうちらが話してるような雰囲気を出せるようになってきたかな」
SHELL「まんまだよね。私はサキさん(振付け担当のカミヤサキ)が練習に来てくださった時に〈もっと人に伝わる表現がありそう〉ってアドバイスをいただいたので、それが今回のツアーの課題です。自分は歌いながらめっちゃ動くっていうか、動きで持っていこうとするところがあって。根本的に〈カッコ良く見せたい〉っていうのが心のどこかに強くあるから、対お客さんのパフォーマンスをあんまり意識できてなかったというか」
――観てもらうための表現ということですね。
SHELL「はい。曲によると思うんですよ。カッコイイ曲では自分の経験が活かせればいいし、でも、よりメッセージが具体的な曲も増えてきたなかで自分がカッコつけてるだけじゃ良くないし。今回のツアーではその伝え方を自分なりに見つけたいです」
CHIYO「私は〈歌ってる時の見せ方がもっと良くなりそうだから、そこをツアーの課題にしたら?〉ってサキさんに言っていただいて。歌詞の解釈とか自分の歌に対して気持ちがまだ追いついてないけど相手にパフォーマンスで伝えなければいけないっていうギャップみたいなのがあると、確かに自分でも自信がなさそうに見えるところがあって。でも、新曲の“小さな叫び”のMV撮影の時に、自分の嫌な部分も曝け出すような表現がちょっとできるようになったのを感じて、まだまだ試行錯誤ですけど、表現の仕方が自分のなかでわかってきたような感覚があります」
BAN「今回のツアーでいちばん向き合いたいのは煽りです。けっこう前から煽りを任せてもらえていて、最初の頃は自信満々だったんですけど、自分がなかなか真剣に取り組めていないことで自信がなくなって、それをめっちゃ繰り返してるので今回のツアーでは集中してがんばりたいです」
KIN「私は基礎をがんばりつつ、初心を忘れないというのを目標にしてます。サキさんにもみんなにも〈歌もダンスも思いきってやったほうがいいよ〉って言ってもらうんですけど、半年前よりはできるようになってきて〈成長したとこ見せたいな〉って思ったら逆に縮こまっちゃうことがちょいちょいありまして。やっぱり観る人に伝えるためにやるっていうのは心にちゃんと持って、でも技術も上達させていけるように、そこのバランスはうまく取りながらやっていきたいなって思います」