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CHIYO-P

どんどん強くなっていく曲

――はい。で、いま話に出たニュー・シングル“小さな叫び”についてですが、こちらはいち早くMVが公開されました。

プー「雨の中でそれぞれが心の中を曝け出して表現する映像になっていて、それぞれが泣いたり、グチャグチャに叫んだり、見たことない表情をしてる姿をワンカットで撮りました。シンプルに心の叫びを表現したMVになってます」

SHELL「初めてダンス・シーンなしで、身ひとつでカメラの前に出されて自分を表現するのが難しかったんですけど、このMVを撮ることによって、ライヴでの気持ちの乗せ方も発見できたんで、やりながら勉強にもなった撮影でした」

CHIYO「感情の入り方が凄かったです。それぞれ叫ぶシーンでみんな絶望系の叫びをしてたんですけど、BAN-BANは野生児みたいになってて」

BAN「叫んでって言われたから(笑)」

プー「雄叫びだったね。まあ、心の叫びは人それぞれなんで(笑)」

BAN「他の余計なものが何もない映像を撮ってもらって、その一瞬がずっと残るから、逆にいましか届けられない表現をしたい思いが強くなって、撮影の後からライヴでもその感覚がより大きくなりました」

プー「同じ歌詞でも気持ちは変わったりするし、撮影でめっちゃ曝け出したから、その後のライヴでは違う感じで臨めましたね」

――Ryan.B(サウンド・プロデューサー)さんから曲が届いたのはいつ頃ですか?

プー「シングル出すのが決まってから送ってもらった曲なので、わりと最近ですね。レコーディングは12月かな? 『JUICYY』のリリース間近だったんで」

SHELL「そんな前だったか」

――サウンドは『JUICYY』の延長線上にある温かい雰囲気ですが、歌詞は〈君の 「死にたい」分かるんだよ〉とか、よりストレートな言い回しのシリアスな内容ですね。

CHIYO「自分の話になってしまうんですけど、歌詞を見た時に、自分がPIGGSになる前の地の底くらいにいた時の、引きこもって家族にたくさん迷惑かけたり、自分を傷つけるようなことをしてた時期を思い出して。そういう気持ちが最初にあって、そこから変わってきた自分を投影して私は歌ってます。いまはPIGGSで夢に向かってお仕事させていただいて、応援してくださる方がこれを聴いてくれているっていうのを思いながら歌っています」

SHELL「自分もPIGGS入る前の、東京で居場所がないっていうか、オーディションとか落ちまくってて、悪い状況に慣れちゃって、誰にも必要とされてないような気持ちになっていた頃の、まさに〈誰か 気づいてよ〉っていう思いを込めて踊ったりしてます。で、逆に2番のサビでは〈逃げる場所ないなら遊びおいでよ〉とか前向きな言葉も出てくるので、同じように感じてる人たちに向けて〈じゃあ、PIGGSが居場所になればいいな〉って言えるようになりたいなと思って。まだまだ自信を持って言えないのが“小さな叫び”ってことなのかなと思うんで、もっとみんなの居場所として〈大きな叫び〉ができるようになりたいと思ってライヴしています」

BAN「私は2サビの〈君の「死にたい」分かるんだよ〉ってところを歌ってるんですけど、自分では死にたいと思ったり絶望したりとか、そういう経験はあまりなくて。でもそういう人に〈光を見せられたらいいな〉と思ってそのパートを歌っています。この曲自体もいまの自分の気持ちにリンクしてて、歌詞の通りすぐ寝落ちしちゃったり、いつも自分ががんばれないことに自信がなくなっちゃうんですけど、自信がない自分でも伝えたい気持ちはあるから、カッコ良くない小さな自分だけど、その気持ちをまっすぐに歌えたらいいなと思って歌ってます」

プー「〈何者でもなくても叫ぶことが日々を変える〉って、そういうことだと思うし。この曲はホントにたくさんの人を救わなければいけない曲で、完璧じゃない私たちが歌うからこそ届けられることってあると思うし。それを口に出すことでカッコ良くなっていくっていうか、覚悟を持って歌うことで、どんどん強くなっていく曲ですね。いまライヴでは目の前のぶーちゃんズに向けて歌ってるけど、もっと外に向かっていくべき曲だし、それを私たちが絶対にやらなければいけない曲だなって凄く思います」

KIN「めっちゃ素敵な曲」

プー「めっちゃ好きで、めっちゃ好きです(笑)。歌が自分の中に入りすぎて、レコーディングで泣いちゃうぐらい好き。〈絶対いっぱい歌割を取ってやる〉って思って歌いました」

CHIYO「プーちゃんの後に歌を録ったんですけど、〈全部私が歌う〉って堂々と言われて、〈おぉ……〉ってなりました」

プー「10年やっててもそれぐらい貪欲に生きてるんで(笑)」

CHIYO「でも、ホントに良い曲で、全部歌いたいって気持ちになりますね」