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ヤママチミキ(GANG PARADE)

これこそアイドルだよな

――そこから柏木さんが作詞して、“あなたを狙い撃ち♡”が出来たわけですが、皆さんは歌ってみていかがでしたか。

ヤママチミキ「一人称が〈私〉の曲をあんまり歌ってこなかったし、自分で歌詞を書く時も〈私〉は使わないので、めちゃくちゃ新鮮でした。そこからすでにアイドルらしさが伝わってきたし、この可愛い女の子の気持ちになって歌おうって」

チッチ「曲をいただいた時にアイドルの理想像みたいなものをめちゃくちゃ感じたんですね。私もアイドル好きだったからこそ、〈これこそアイドルだよな〉って想像できる曲だったので、振り切って可愛い方向に行ってみたら、思ったよりも全然入り込んで歌えたんですよ。凄い楽しくて、松隈さんも楽しそうで。新しい扉を開いた感じがしました」

――レコーディングもいつもと違った?

ミキ「とにかく可愛く、〈THEアイドルな感じで〉っていうのはみんな共通していて」

チッチ「あと、〈明るく〉って言われた気がする。ゆきりんさんのイメージと同じ気持ちで松隈さんもやってたのかもしれない」

ドク「可愛くやるのって楽しいって思いました(笑)。大股を開いたり大きな口を開けたりしているほうが私にとってはナチュラルなんで、可愛いことをやるほうが照れてしまう感じに育ってきちゃったんですけど、今回は殻を破ってもらえました」

テラシマユウカ(ユユ)「〈カッコイイ〉より〈可愛い〉のほうが難しいというのは、それこそPARADISESが始まった頃にも感じていて。でも、“あなたを狙い撃ち♡”は自分から〈可愛くしなきゃ〉って意識しなくても、自然とアイドルにしてくれるような曲だなって思いました」

――ポップで良い曲です。柏木さん自身は〈クソダサ歌詞〉と仰ってましたが(笑)。

柏木「はい(笑)。あえてこういう薄い世界観にしたくて(笑)」

――あえてベタな感じを狙ったというか。

柏木「そう、いつもこういう曲を歌わない皆さんが歌うからこそ良いなって思ったんですよね。例えば新人の子たちがこれを歌ったら〈よくあるアイドルソングだよね〉ってなるかもしれないけど、いろんな経験をしてきたメンバーが歌うことで、めちゃくちゃグレードアップされた感じがします」

セントチヒロ・チッチ(BiSH)

――衣装も柏木さんプロデュースですね。

柏木「はい。WACKの衣装は肌がほぼ出てなくて、AKB48ではそもそも長袖やパンツの衣装もあんまりないから、その違いも感じて。なので、今回はポップで明るくて個性の出るような衣装を、もともとAKB48の衣装さんで、私のソロもやってくれてる方にお願いしました」

月ノ「ギャンパレの5人はメンバーカラーがあるので、そのまま使っていただいて」

柏木「で、BiSHの2人は私の印象で勝手に決めました」

アツコ「初めてメンバーカラーというものをいただきました。BiSHだと私は紫が好きで、チッチは青が好きっていうのはあったけども、〈じゃあ、あなたは青です、赤です〉みたいなのは初めてで、しかもその色を身に纏うのは、めちゃめちゃ新鮮です」

チッチ「新鮮。青が好きだから青ばっかだったんですけど。友達には〈戦隊モノならレッドだよね〉って言われることがあって」

――アカレンジャー感ですよね。

柏木「そういうイメージでした」

チッチ「周りからはそう見えるんだって。赤が好きになりました」

――MVも衣装と同じく可愛らしい世界観です。

柏木「はい。振付けもAKB48のダンスの先生にお願いしたので、いつもと違った雰囲気で踊る皆さんも作品に残したくって、MVもダンスシーン多めにしていただきました」

ユメノユア「POP時代にはあったけど、可愛いMVを撮っていただく機会があまりないから緊張しました。監督さんが最近よくご一緒する、それこそGO TO THE BEDSと柏木さんとのMVも撮ってくださった須永秀明さんだったので、少しだけ安心感はあったけど(笑)。ダンスシーンは〈間違えたら終わる〉みたいな緊張感は凄くありつつ、いつもと違う雰囲気の撮影で楽しかったですね。みんなでゼーゼー言いながらいっぱい踊ったのも良い思い出です(笑)」

ユメノユア(GANG PARADE)

――大変だったんですね。撮影までに皆さんで合わせる機会はあったんですか?

チッチ「全員で集まれたのが1回だけで」

月ノ「当初はスケジュールが合わなくて、BiSHの2人と柏木さんは撮影当日に現地で振入れするっていう話もあったんですけど、何とか合わせていただいて」

柏木「当日だったらやばかったかも」

アツコ「もう顔のアップだけで、ダンスシーンにいなかったかもしれない(笑)」

チッチ「難しくてダメだったね。初めて振入れ中に頭抱えて止まっちゃいました」

月ノ「歌う人にも振りがあるのが衝撃的で、新しい常識を知った感じがしました。私たちは歌うパートでの動きはあんまり決まっていないので」

柏木「いつも〈歌振り〉って言ってて。歌う人の振付けみたいな」

アツコ「へ~、歌振り」

チッチ「へ~って言うけど、アイナ(・ジ・エンド)はやってくれてるじゃん(笑)」

アツコ「ヘヘヘヘ。でも全部が新鮮よ」

ユア「そこも細かくカウントで決まっていて難しかったです。苦手な振りがあったよね、ユユはね」

ユユ「2Bで投げキスを3回しながら飛んでいく振りがホントにできなくて、練習止めて私だけ1対1でそこをずっと教えてもらったりして。先生に教えていただくことがないからパニックになっちゃいました(笑)」

――いつも自分たちで振付けするから。

ユユ「そうなんです。できなければ〈じゃあ、こう変えてみよう〉みたいなことが全然あるから。そこの柔軟性が自分には足りてないなって思いました(笑)」

柏木「動きが細かくて振り数も多いし、特にアイドルアイドルした振りを作るのが上手な先生にお願いしたので、より難しかったかもしれないですね」

――奮闘の成果がMVというわけですね。

ミキ「WACKは異質かもしれないけど、もともとアイドル好きな方は可愛いものが好きな方が多いと思うので、〈可愛いじゃん!〉ってみんな喜んでくれていると思います(笑)」