もちろん円熟味は申し分ない。しかし、72歳のベテランだからって、〈老いてなお盛ん〉という言葉は、溌剌とした歌と演奏には似合わない。ジャム・セッションの熱気を封じ込めたと思しきファンク・ナンバー“Waitin’ For You To Blow”を、まずは聴いてほしい。いわゆるスワンプ・ロックを絶妙な洗練と共に現代風にアップデートした6年ぶりの新作。言うまでもなくみずから弾いたスライド・ギターも聴きどころだ。