「キューティーコミック(宝島社)」での連載が「かんたん短歌の作り方―マスノ短歌教を信じますの?(筑摩書房)」として14年前に単行本となり、長い時間を経てこの度文庫化。当時教科書に載ってる短歌だけが短歌だった若い読者に広がり、それまでになかった方法で短歌や言葉の魅力を教えてくれた。文庫化にあたりあとがきや解説、作品集などが追加されイラストも一新。いつもの言葉を57577にしてどう並べるか、考えるときは手書きがいい、5通りの言い回しを考えてみる、など具体的な作り方が書かれている。表現することが自分と向き合うことだとしたら、その入門書でもあるのかも。かんたんな言葉は、ずしんと届く。