国や宗教、文化の異なる世界各国の10歳の少女達の目を通して、〈女の子だから〉と繰り返されてきた、目に見えないけれど確実にあるジェンダーへの抑圧が描き出される。少女達は今自分や周りの女性たちの置かれている状況にふと疑問を持つ。そして学ぶことで自ら選択できる可能性があることに少しずつ気が付いていく。おばあさん世代の女性達がどうして抑圧する側になってしまうかを、丁寧に描いているところにも誠実さを感じます。シャープかつシンプルな線の美しさが、表情の繊細さを際立出せます。強くまっすぐな眼差しでこちらに問いかけてくる彼女たち。今、自分は何ができるだろうと考える。