弾き語りシリーズ作『FOLK 3』を経て届けられた、2年ぶり11枚目となるオリジナル・アルバム。各種トラッド・ミュージックを吸収したバンド・サウンドをベースにしながら、パンキッシュな“もうくよくよしない”などに顕著に表れたロックンロールなアンサンブルを随所で鳴らしており、そのラウドなギターの響きとドライヴ感が小気味良く胸を揺さぶる。そういった新鮮なアプローチも持ち込んだサウンドの上で紡がれる2人の歌と言葉はこれまで以上にシンプルに磨き上げられており、それゆえに力強い。安直な癒しや救いは差し伸べず、時にシビアな現実もドライに語りながら、聴き手に辛抱強く、優しく寄り添う……そんな歌の数々が滋味深い音と共に、ナイーヴな世界で生きる人々をタイトルの言葉で肯定する。