歌手の槇原敬之が、終始テンション高めでお送りする音楽紀行。この、“テンション高め”というのが重要。この旅にマジックを巻き起こしている。
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彼と音楽との深い繋がりがこの2つの音楽紀行のぶれない軸。アイリッシュ・トラッド・ミュージックやフラメンコを彼と一緒に楽しめる。だがそれ以上の魅力は、それらを丁寧に受け止めていく彼の音楽への愛情を目の当たりにした上で、旅紀行を楽しむことができるということ。ティンホイッスルを買ったり、子供たちと交流。更には断崖絶壁に行ったりするのだが、彼の言動とかファッションとか存在そのものがすごくポップで、彼自身が音楽のような、足音が音符のような、大きい笑い声がオーケストラのような。楽しむ事、楽しませる事をすごく大事にする人であることを知る。すると、この旅がそんな彼に何をもたらすのだろう、となるのだが、それを知ることができるのが素晴らしい。彼は音楽家でありその音楽は多くの人に聴かれるものだから。
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アイルランド編で、パブに行ってアイリッシュ音楽にインスパイアされて作った曲だという《Anywhere》の一節を披露する場面がある。彼をあまりに暖かく受け入れるアイルランドの人達と、彼の日本語の歌詞がすごく印象的で、癒し番組としてはそこが真骨頂であった気がする。その瞬間は彼の歌がアイルランドのその場所に、とても相応しいものであったと思う。
飲めないビールを飲んでしまうほどにテンション高めのマッキーをお楽しみあれ。アイルランドとアンダルシア、そして槇原敬之に“スロンチャ(アイルランドでの乾杯)”!