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もう少し思ったことを言っていいのかな

――一方で、同期の楓フウカさんや後輩の2人を見てどう思いますか?

「特徴がすごくあるなって思っていて。やっぱり焦るんですよね。でも、スタッフさんが決めてくれたフレーズをイヤだと思ってる子もいるかもしれないじゃないですか。なので、逆に自由にできる自分のやり方もそれはそれでいいのかなって考えたりもします。

最近は〈圧〉が私のなかで一番合うワードなんです。でも、ライブで〈圧の人です!〉と言ってもよくわからないと思うので、それをどうやって自己紹介に取り入れようかなと思ってます」

――それもこれもグループの飛躍ためであると。

「グループとしても大きくなるには個人が大きくならないといけないじゃないですか。クマリに貢献するにはなにができるだろうというのは無限に考えちゃいますね」

――グループを引っ張っていきたいという意識はありますか?

「引っ張るとかじゃないけど、クマリデパートらしさは2期が一番持っていると思うので」

――クマリデパートらしさとはどんなところでしょう。

「ほわほわしていて平和で幸せみたいな。2期ってそういう、いつもあははあははみたいな、どうぶつの森みたいな雰囲気で生活しているから。

だから今回の“止まらない!ト・マンナヨ!”のジャケットでも、サクライさんがクマリデパート感を出すのに小田だけおちゃらけたポーズを任せてくれたのが嬉しかったんです」

――たしかに小田さんは平和な人、癒しの人という印象はあります。個人的にはクマリデパートのなかで最も影を感じない人が小田さんです。

「えー(笑)。でも、そこを見せないように2期は徹底してきました。もちろんネガティブなことは呟かないし、何々頑張ったよ、何時間レッスンしてきたよ、みたいなことも言わないようにしてきたんです。余裕というわけじゃないけど、裏側を見せたくない。疲れちゃった、みたいなことすら呟かないようにしてたんですけど、でも最近、もう少し思ったことを言っていいのかなっていうふうに考えるようにもなってきました」

――その変化はやはり、アピールしなくては、というモードに繋がっている。

「はい。最初はマネージャーさんにさらっと言われたことだったと思うんです。そういうことは言わなくていいんじゃない、くらいの。それを守ってきたし、私たちもそのほうがかっこいいと思っていたんですけど、変わってきましたね」

 

「クマリデパートの赤は小田にしかできない」

――2期がクマリデパートらしさを持っているという話がありましたが、同期同士でライバルみたいな気持ちもありますか?

「それはあります。フウカはお歌が上手だし、エース的に引っ張っていっているじゃないですか。だから悔しい気持ちもあります。

それは入ってからずっとあって、特に“サクラになっちゃうよ!”(2020年)の時期に、自分はダメだと思っちゃってたんです。自分でフウカと比べるし、スタッフさんも比べるし。それがつらくなっちゃって、ひーんって落ち込んでいたら、今の振付師のいどみんさんが〈なにかあったの?〉って聞いてくれて、渋谷で大号泣しました。その時にいどみんさんから〈小田は赤色担当っぽくないけど、クマリデパートの赤は小田にしかできないから〉と励ましてもらえて、また頑張るぞと復活できた時がありました。

そこからは悔しいと思うことはあっても、落ち込むことはなくなりました。今はダンスのソロパートをもらえるようにもなったりしたので、いどみんさんは本当に恩師です」

――考えたこともなかったんですが、赤色のプレッシャーみたいなものもあったんですね。

「……はい。赤って目立つし、アイドルグループとか戦隊ものではエース、センターの色じゃないですか。やっぱり赤はみんながなりたいと思う色なので、重いなと思うんです。自分は赤になりたかったし、スタッフさんも赤にしようと思ってたと言ってくださったので、赤色で加入できたんですね。

そこからさっきの渋谷の話があって、自分らしい赤で頑張ろうと思えました。その前まではすべてに自信がなかったです」

――それこそ口にはしないことだけど、コンプレックスがある。

「いっぱいあります(笑)。入って最初の方のワンマンで、ご挨拶とか感想を言うじゃないですか。その時に〈小田はなにもできないし、歌もダンスもダメで〉というMCをしたんです。あとから考えたら、すごく失礼なことを言っちゃったと思って。それを戒めにして、もっと自信を持つぞという気持ちになりました」

――しかし、〈自信を持つぞ〉と言い続けて早何年という(笑)。

「クマリは自己肯定感低めの人間が集まっているので(笑)。でも、昔よりはよくなりましたよ。ファンの人のおかげでちょっとずつ変わっていっているんですけど、それでもやっぱり、自分のもとからあるものはなかなか変わらないんですよね。武道館に向けて、もっと自信を持たないといけない。ライブもそうだし、好きなものとかも自信持って発信していこうと思うようになりました」