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INTERVIEW

Uru『オリオンブルー』モノクロームの世界から彩りを増したニュー・アルバムを語る

Uru『オリオンブルー』モノクロームの世界から彩りを増したニュー・アルバムを語る

モノクロームの世界から現れた奇蹟の歌声は自分自身の色を手に入れた。彩りを増しながら着実に広がってきたオリオンブルーの情景——その美しさに胸を打たれるのはきっと偶然じゃない

違った部分も感じてもらいたい

 Uruの歌を聴いていていつも感じるのは……安らぎ。それは癒しともまた違って、ほどよい熱気とゆったりとした息遣いを湛えた歌声に耳を傾けていると、それが悲しい恋の歌であっても、心が不思議と安らぐ。きっとそれは、彼女が楽曲を生み出していく背景――身近な場所を散策することで詞や曲のインスピレーションを高めていることも大きいのだろう。なので、彼女に取材するたびに、最近は身近でどんなことが起きて、どんなところを散歩して、どんな発見があったか、みたいなことをやはり訊きたくなってしまう。

 「散歩は……イヤホンをして歩くことも多かったんですけど、街の騒がしい感じとか、クルマの走行音とか、子どもたちが遊んでる声だったり、葉すれの音だったり、イヤホンを外して耳を傾けることもあって。集音マイクで録音したいなあって思うこともあります。本当に静かな場所に行かないと聞こえない音とかをわざわざ聴きに行ったり、あとは、生活音がすごく好きで、生活用水が流れている音に耳を傾けながら、あっ、いまここのおうちお風呂に入ってるな、とか思ったり(笑)。ライヴのSEで使っている水滴の音も、自分で録ったものなんです」。

 そんな穏やかな日常を経て、Uruの新しいアルバム『オリオンブルー』が届けられた。ファースト・アルバム『モノクローム』から2年3か月ぶりとなるアルバムだが、その間にはなんといっても彼女の名前と歌声を大きく広めたシングル“プロローグ”があり、前作のときとは注目度も違ってきている。

 「ドラマの主題歌で私のことを知ってくださった方もたくさんいらっしゃって、そういった方々が“プロローグ”の入ったアルバムを聴いてみようかなと思ってくださった時に、Uruってこんな曲も歌うんだ、とか、違った部分も感じてもらえたらなと思って、それでいろいろな曲調をを並べてみました。聴いてくださったみなさんの反応がどうなるのか、ちょっとドキドキですね」。

 

思い出深い曲

 その“プロローグ”で幕を開けるアルバムには、2018年秋の“remember”、昨年秋の“願い”といったシングル曲や、小林武史との初タッグとなった先行配信シングル“あなたがいることで”(TBS系日曜劇場『テセウスの船』主題歌)なども収録されているが、新曲群は本人の言葉通りで、“プロローグ”のヒットでより広まった〈Uruといえばミディアム・バラード〉というイメージに収まらない振り幅の曲調も聴けて楽しい。「好きな曲調で、すごく気に入ってる曲です」という“space in the space”は、Kan SanoのアレンジによるR&Bフィーリングの心地良いナンバーだったり、それに続く“marry”はフォーク・タッチの澄んだメロディーで……。

 「私がカヴァー動画をアップしていた頃、〈結婚式で使っていいですか?〉というような声をたくさんいただいていたんです。オリジナルには悲恋の曲が多いんですけど、そう言ってくださる方に応えるようなハッピーな曲もと思って、それでウェディング・ソングを作ってみたんです」。

 “Don't be afraid”は、ハンドクラップを交えたゴスペル風のアップテンポなナンバー。こちらのアレンジは、初の手合わせとなる渡辺シュンスケ(Schroeder-Headz、cafelon)。

 「ライヴで楽しめる曲だと思います。アルバム全体を見たときに、こういうアップテンポの曲も入れたいなと作詞作曲をしてくださるHidenoriさんに提案したら引き受けてくださって。イントロのガヤみたいな声はオケをいただいたときにすでに入っていて、そのあとさらに私の声を重ねたりしているんですけど、私の〈Yeah!〉っていう声をお聞かせするのは初めてかもしれないですね(笑)。すごく楽しく歌えました」。

 続く“頑な”は、TVドキュメンタリーにインスパイアされて作ったというエモーショナルなバラード・ナンバー。そして“いい女”は、ファースト・アルバム『モノクローム』に収録されていた“いい男”と対になっている曲で、アレンジャーも同じく宗本康兵が手掛けている。男性目線だった前者に対して、“いい女”は女性目線。ラスト・ナンバー“remember”に繋ぐ“横顔”は、デビュー曲“星の中の君”と世界観を通わせているバラードで、ここで歌われている〈あなた〉は、あのとき〈今君は綺麗だよ〉と言っている〈あなた〉……。曲順は戻るが、冒頭“プロローグ”に続く“今 逢いに行く”は、かなり前に作られていたという曲だ。

 「デビュー前、いまの事務所にいくつかデモを持っていって聴いてもらっていたんですが、最初に渡したのがこの曲でした。ライヴで一度だけ披露したことがあったんですが、アルバム収録曲を発表したときにそれを憶えててくださった方がいて。この曲を気に入ってもらえたことでいまの私があるので、思い出深い曲ですし、それを一度聴いただけで憶えていただけたっていうことはとても嬉しかったです」。

 

私らしい色

 『モノクローム』から『オリオンブルー』へ。曲調の彩りも増したことで〈色〉を加えたタイトルになったわけだが、〈ブルー〉という色使いは、やはりUruらしいところ。

 「色で表すなら私らしい色がいいなって。ファンの皆さんに〈私らしい色は何色ですか?〉って聞いてみたことがあったんですけど、ジャケットやアーティスト写真にブルーを使っていることも多かったですし、ライヴの照明も青っぽいものだったり、やはり青系の答えが多かったんです。バラード=寒色というイメージもあって、そうなると青とか黒とか紺とか……私自身は緑が好きなので(笑)、ちょっと緑が入ってるようなブルーということで『オリオンブルー』になりました」。

 ただただブルー、ただただ寒色、冷たい……となると、冒頭にも書いた〈安らぎ〉をもたらすUruの世界観とはなかなか繋げにくいけれど、青にひとつ色味を加えた〈オリオンブルー〉は、星の瞬きによって色づく夜空の青や、生き物たちが色づけしている海の青、のようにイメージすると、彼女の歌の深みを表すのに、これ以上ないほどしっくりとくる色と言えるだろう……と本人の目の前で論じてみると、「そうですね、それ素敵です!」とニッコリ笑ってくれた。

 4月12日の大阪公演を皮切りに、東京、愛知とアルバムを携えてのツアーが始まる。Uruにとって、短い期間でこれだけのステージをこなすのは初めてのことであり、『オリオンブルー』をきっかけに今年はいつにも増して精力的な活動が期待できそうだ。新しい曲作りも順調なようで、「ブルーというよりシャインレッドみたいなイメージの曲も作っています(笑)」とのことだが、ひとまずいまは、届けられた〈青〉に身を任せていたい。

 

Uruの作品。

 

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