過去にA.G.Cookがプロデュースに携わり、他とは一線を画す楽曲で瞬く間にポップアイコンとなったCaroline Polachekの最新作。Pitchforkの年間ベスト・シングル2021に選出され軽快なリズムでアルバム内のアンセム“Bunny Is a Rider”や、ラテンポップのような“Sunset”で掴みは上々。後半ではGrimesが参加した“Fly To You”、ドラマチックな展開をみせる“Billion”などバリエーション豊かな楽曲揃い。幻想的な90年代のポップスを思わせる作品で、自身のサウンドプロダクションの才能を存分に発揮した珠玉の一枚だ。

 


思わずジャケ買いしそうな元チェアーリフトのシンガーのソロ4作目。天使の雄叫びを思わせる1曲目から一気に引き込まれ、ケルト民謡からバグパイプ、フラメンコからキッズ合唱隊までアイデア満載。官能的で耽美なポップ・エレクトロニックを展開する。その裏にはちょっぴりダークな色彩も。声色が瓜二つなダイド、グライムスが客演し、フルームやリナ・サワヤマを手掛けるダニー・L・ハールが共作・プロデュースで参加。最近ではチャーリーXCXやクリスティーヌ・アンド・ザ・クイーンズの共演者として知られる彼女が、ケイト・ブッシュやビョークもビックリな猟奇の一歩手前で、独自のポップ美学を迸らせる。