戦争をテーマにした10作品を収録。4つの章に分け、過去(太平洋戦争、冷戦と核危機)・現代・未来と時代ごとに読める構成。各章末尾に手塚自身の言葉も収録。1928年、昭和3年大阪に生まれ13歳の頃太平洋戦争。戦争末期に学徒動員で軍需工場での強制労働を経験。その頃を描いた半自伝的作品「紙の砦」も収録。久しぶりに読み、泣いた。悲惨すぎた。〈もう二度と戦争なんか起こすまい、もう二度と武器なんか持つまい、孫子(まごこ)の代までこの体験を伝えよう〉という言葉が重く刺さる。キナ臭い現代ニッポン。この選集を企画された手塚眞さんをはじめとする方々の〈戦争絶対反対〉、強い想い、を受け取った。