恋の腹いせ
吉田「どうでもいいことを聞いてもいいですか? ある時期からTwitterで〈彼氏ができました〉とか〈別れました〉という赤裸々な報告をするようになったじゃないですか」
川本「めっちゃプライベートですね(笑)」
吉田「あれはまたどうして?っていう(笑)」
川本「あれは私が若干発狂気味になってたときだったので……(笑)」
吉田「そういうことなんですね(笑)」
川本「はい。書かないでいいことを書いてたっていう。あれってニュースになってました?」
吉田「いや、知らないです。〈川本真琴に新恋人が!〉みたいな?」
川本「(観客に)ニュースになってなかった? 知らないか。……みんな何とも言えない顔になってる(笑)」
吉田「ダハハハ!」
川本「あれは……恋沙汰です!」
吉田「フフフ。で、そろそろお時間みたいですね」
川本「あれ? めっちゃ早い!」
吉田「もうちょっと話しますか?」
川本「何にも話してない!」
吉田「もうちょっと新譜の話もしておきますか(笑)」
川本「ちょっと待って! まだ枕の部分っていうか、何にも話してなくてヤバくないですか? ソニー時代の話も全然してない(笑)」
吉田「それなりに当時の話はちょこちょこ差し挟みはしましたけど。今回アナログボックスが出ましたが、ご自身の過去の作品が常に振り返られて評価され続けてることに関してはどういう思いがあるんですか? 川本さんの音楽ってずっと根強く評価をされ続けてるわけじゃないですか」
川本「いや〜、ありがたい限りですね」
吉田「それって自分のことで考えるとどういうことなのかな?って考えるんですよ。自分の昔の作品が文庫になって新たな収入がある、みたいなレベルの話でもないだろうし」
川本「吉田さんって本を出されてるんでしたっけ?」
吉田「いろいろ出してます(笑)」
川本「その中で〈これはすごい評価された〉っていう一冊はあるんですか?」
吉田「ありますね」
川本「あるんですね。それを〈いまもこれはいい、最高だ〉って言ってもらえてる感じですね」
吉田「なるほど。嬉しいけど、それだけじゃないんだよな〜って気持ちがあるってことですかねか?」
川本「それはありますね。でも、楽しんでもらえてるのはいいことですから。やっぱり、いまの私の音楽も聴いてほしいなって思いはあります。そういうのって吉田さん、どうですか? 吉田さんはいまも文章を書いてらっしゃいますよね?」
吉田「もちろん(笑)。いろいろ書いてますよ!」
川本「やっぱ新作を褒めてほしいですか?」
吉田「新作を褒められると嬉しいですよね。よく言うんですけど、ボクの仕事だと無料で読めるメディアに発表したものの反響がすごくデカいんです。ネットとかラジオとか無料で見れる配信とかだと感想がものすごくたくさん来るんですけど、有料の雑誌の記事だと途端に反響が少なくなる。なので、そういうものをいまもわざわざ買って読んでくれてる人がいると嬉しいですよね」
川本「なるほどー。でも、それはしょうがないかもしれないですね」
吉田「そうなんですよ。出版不況とかも全部重なってることなので。10年ぐらい前の自分のツイートを見返すと、週刊誌でやった仕事でも反響がすごく大きかったんです。でも、いまは単純に人が雑誌を読まなくなってるなって」
川本「音楽雑誌ですか? どういう雑誌?」
吉田「音楽雑誌はそんなにやってないんです。いま書いてるのは『BUBKA』とかですね」
川本「結構あれですね、文芸系の……」
吉田「ダハハハ! 『BUBKA』は文芸誌ではないですよ(笑)!」
川本「あっ、違うんですか!?」
吉田「『BUBKA』はかつてスキャンダル雑誌で、いまはアイドル雑誌に近いですね。そして、さっきからずっと〈お時間です〉って指示がスタッフから出てます(笑)」
川本「あれっ? もう時間? こうやって何回もお会いして人となりを知って、身近にお話を聞いてる吉田さんの文章だと、知らない人の文章を雑誌で読むような一般的な感覚では読めない気がします」
吉田「……えっと、これが締めでいいんですか?」
川本「えっ? 締め(笑)? ちょっと待って〜! 何も話せてない気がする! あの、さっきの恋愛の話で……」
吉田「その話、まだいきます!?」
川本「アハハハ!」
吉田「聞きますよ! どうぞ!」
川本「あれは好きな人がいて、その人とうまくいくと思ったんだけど、うまくいかなかったんです。それで私、めっちゃ腹が立って、もうダメだ!ってなってた3日後ぐらいに前から仲のよかった人が現れて、その人と付き合うことになったんですよ。それで腹いせに書いたんです。アハハハ!」
吉田「ダハハハ! なるほど! もう私は新たな楽しみを見つけたぞって言いたかったと」
川本「そう……(笑いすぎて話せなくなる)」
吉田「謎が解けました!」
川本「そういうことです(笑)!」
RELEASE INFORMATION
■CD
リリース日:2023年7月19日(水)
品番:MYRD154
価格:3,300円(税込)
スリップケース仕様
TRACKLIST
1. アロエ
2. April locking down
3. 風を待ってる湖
4. GEDATSU in love
5. universe
6. カートコバーンと両想いになりたいガール
7. 街の本屋さん
8. 転校生になれたら
9. ワールドエンド・ガールフレンド
10. MOTHER

■LP(完全限定プレス盤)
リリース日:2023年8月23日(水)
品番:MYRD155
価格:4,323円(税込)
TRACKLIST
Side A
1. アロエ
2. April locking down
3. 風を待ってる湖
4. GEDATSU in love
5. universe
Side B
1. カートコバーンと両想いになりたいガール
2. 街の本屋さん
3. 転校生になれたら
4. ワールドエンド・ガールフレンド
5. MOTHER

■カセットテープ
リリース日:2023年8月23日(水)
品番:MYRD156
価格:2,585円(税込)
TRACKLIST
Side A
1. アロエ
2. April locking down
3. 風を待ってる湖
4. GEDATSU in love
5. universe
Side B
1. カートコバーンと両想いになりたいガール
2. 街の本屋さん
3. 転校生になれたら
4. ワールドエンド・ガールフレンド
5. MOTHER
■配信
リリース日:2023年9月20日
配信リンク:https://diskunion.lnk.to/myrd154full
■Musician Credit
Vocal & chorus:Makoto Kawamoto 川本真琴
Drums, harmonium, xylophone & toy-piano:Markus Acher マークス・アーハー
Banjo:Alex Haas アレックス・ハース
Viola:Evi Keglmaier エフィ・ケーグルマイヤー
Trombone:Mathias Götz マティアス・ゲッツ
Sousaphone:Micha Acher ミヒャ・アーハー
Electric guitar:Ueno Takashi 植野隆司
写真:佐内正史
リリース日:2023年6月21日(水)
品番:MYRD153
フォーマット:7inch/先行配信
価格:2,200円(税込)
配信リンク:https://diskunion.lnk.to/myrd153
TRACKLIST
Side A: universe
Side B: Savannah
■“universe”
Vocal:Makoto Kawamoto 川本真琴
Drums:Markus Acher マークス・アーハー
Banjo:Alex Haas アレックス・ハース
Viola:Evi Keglmaier エフィ・ケーグルマイヤー
Trombone:Mathias Götz マティアス・ゲッツ
Sousaphone:Micha Acher ミヒャ・アーハー
Electric guitar:Takashi Ueno 植野隆司
Recorded & mixed at In our house Studio, in Munich
Feb 2023, by Nicolas Sierig ニコラス・ジーリグ
Vocal Recorded at Tsubame Studio, Tokyo, by Yui Kimijima 君島結
■“Savannah”
川本真琴:vocal, guitar
Recorded in 2012
写真:西原伸也
リリース日:2023年6月21日(水)
品番:MHKL-71~79
仕様:7インチレコード × 6枚+10インチレコード × 3枚
価格:18,000円(税込)
完全生産限定盤/数量限定
TRACKLIST
Disc 1 “愛の才能”“早退”
Disc 2 “DNA”“LOVE & LUNA”
Disc 3 “1/2”“1”
Disc 4 “桜”“ドーナッツのリング”
Disc 5 “ピカピカ”“ハート”
Disc 6 “微熱”“月の缶”
Disc 7 “FRAGILE”“トラブルバス”
Disc 8 “ギミーシェルター (alternative single version)”“Re-FRAGILE (remixed by Stan Katayama)”“ギミーシェルター (remixed by ∈Y∋)”
Disc 9 “ブロッサム”“ALPHABET WEEKS”“OCTOPUS THEATER (STAN’S LONELY HEARTS HAMMOCK VERSION)”
PROFILE: 川本真琴
96年、ソニーよりシングル“愛の才能”でメジャーデビュー。2000年代初めよりプライベートオフィスを設立しメジャー/インディーにとらわれない活動を続けている。2019年には9年ぶり、4作目となるオリジナルフルアルバム『新しい友達』をリリース。