挑戦してみたい気持ち
CDシングルで恒例のカヴァーでは、今回はシャイトープの“ランデヴー”を取り上げている。
「歌ってみたい曲を探してる時に、スタッフさんから薦められて、聴いた瞬間にすごく歌いたいと思いました。カヴァーする曲を決めるにあたって、自分の声の音域とか、技術的な問題からまず考えるんですけど、“ランデヴー”はサビがすごく歌いたくなる、自分の大好きな感じでした」。
もうひとつ恒例のセルフ・カヴァーは、昨年春にリリースした“紙一重”。アレンジを極力シンプルにし、自身の歌声を丸裸に近い状態で聴かせる、というようなことがセルフ・カヴァーでいつもトライされていることだが、それは今回も……。
「“紙一重”はけっこうどっしりとした曲なので、表情をガラッと変えるには、その反対を行きたいなと思い、ライヴのサポートをしてくださっている飯塚直斗さんにアコースティック・ギターを弾いていただきました。原曲よりも、よい意味でスケール感が小さくなったというか、原曲がホールで大熱唱してる感じだとしたら、お部屋の中で気構えずドライな環境で歌ってるような、そんな雰囲気になったと思います。ラフな感じで歌っているけど、情熱みたいなものは変わらずあって」。
そんな感じで、今回も〈待ちわびていた〉身体のなかにすっと染み込んでくる曲たちを届けてくれたUru。一年も始まったばかりではあるので、2024年の展望を訊いてみたい。
「制作の部分でもうちょっと自分でできる範囲というか、いろんなことに挑戦してみたいという気持ちがあります。いまは基本的にピアノとソフトで曲を作っているんですけど、新しい機材も取り入れてみたいと思っていて。ライヴが続いていた時期には時間に余裕がなくていろいろ試せなかったのですが、欲しいものがけっこうあるんです。デモを作るとき、曲調もですが、その時に選んだ音の質によって歌詞の感じが決まってきたりする……音から歌詞を書いていくので、制作の中心はピアノに置きながらも、新しい機材を取り入れることで、自分の音楽、作れる音楽の幅が広がっていく気がするんです」。
いろいろと楽しみになってくる、これからのUru。あえてくすぐったいことを言うけれど……それも待ち遠しい!
関連盤を紹介。
左から、Uruの2023年のアルバム『コントラスト』、同年のシングル『心得/紙一重』(共にソニー)、Hey! Say! JUMPの2023年作『PULL UP!』(Storm Labels)、シャイトープのファースト・アルバム『オードブル』(shytaupe)